【購読のきっかけ】

大学院の授業で「経営職業倫理」という授業があり、高知県高知市に本社があるネッツトヨタ南国株式会社の経営理念が取り上げられました。この会社も、先の伊那食品工業の経営理念と同様に、経営の目的は「社員を幸せにすること」と断言しています。なぜ、そのような理念に至ったのかを学びたいと思います。

 

【目次】

第1章 「理念」の考え方

第2章 「人を育てる」ことの考え方

第3章 「サービス」の考え方

 

【要約】

著者はネッツトヨタ南国の前身トヨタビスタ高知(株)が1980年に発足した時に副社長として就任し、現在はネッツトヨタ南国の相談役になっている。当初より「質の良い会社をつくって、その結果として量を増やしていく」ことが、本来の経営の在り方とし、会社を育ててきた。

この考え方は、働く人にとって、お客様にとって、地域にとって最も幸せな形であり、永続をも可能にすると断言している。

質の良い会社を作るためには、何が最も大切か?著者は「わが社の大切な目的は、全社員を人生の勝利者にすること」という。ここで言っている「人生の勝利者」とは「一人ひとりがもっている可能性を人生で最大限に発揮できるようになること」と定義している。会社はそのために、さまざまな工夫をしなければならないとしている。

 

この著書でも二宮尊徳の言葉が引用される

 

道徳を忘れた経済は罪悪であり、経済を忘れた道徳は寝言である
                                     (二宮尊徳)
 
経営者は経済につながるような道徳の追求をしなければならないと。つまり、社員を人生の勝利者にし、結果として、お客様が喜び、会社業績も向上するような工夫をしなければならないと。
 
著者は社員教育に並々ならぬ力を注いでいる。
 
新卒採用の面接時間が延べ30時間をかける
上司は指示を出すのではなく、社員が気づくまで待つ、気が付かなければ、なぜ気が付かないのかを探る。
問題が出たとき、表面的な対処ではなく、真の原因を追究し問題解決を図るよう促す
経営に参画させ、上司は口出しをしない
目の不自由な方とのお遍路研修
鹿児島県の知覧特攻平和記念館で特攻していった若者の遺書にふれる
社員自らが企画する社員旅行
販売台数は求めない。プロセスを重視した評価制度を見える化している
上司の評価は部下が行う
 
このような内面から社員の力が湧き出るような教育に徹底して力を入れている。
 

【感想】

取扱商品がトヨタ車であり、性能、品質、供給体制を生み出す経営資源はトヨタ側にある。

そう考えたとき、ネッツトヨタ南国は「サービス」を提供する会社と位置付けることができる。

 

この会社の最大の強みは「社員の教育」であると思う。

経営理念への共感。自分の可能性に挑戦する気持ちの醸成。そのような資質のある人材の採用。そして経営への参画の中で、お客様の喜びを、自分のやりがいに変えていくプロセス。全社員の方向性が一つとなり、会社全体として大きな力となる。

 

これらのことは、他社にとって模倣困難なものである。

 

以上