「ペティ・クラークの産業分類」について考える | ユウ坊の経済を考えるブログ

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 コーリン・クラークは、『経済的進歩の諸条件』(1941)において、産業を第一次産業、第二次産業、第三次産業に3分類し、経済発展につれて第一次産業から第二次産業、第三次産業へと産業がシフトしていくことを示した。これは17世紀にウィリアム・ペティが『政治算術』(1690)で述べた考え方を定式化したもので、両者にちなんで「ペティ=クラークの法則」と呼ばれる。

 「ペティ=クラークの法則」について考える。

 

 「ペティ=クラークの法則」で解ることは、経済発展が進むにつれ、農業部門の生産額は相対的に縮小する傾向があり、農業部門の発展は非農業部門の発展に比べ、その成長速度が遅いということである。この法則は、どの経済でも共通する普遍的な法則で統計上の経験則であると考えられているそうである。

 

 ワルター・ホフマンは、経済発展を、消費財を直接に生産する段階から、製造設備などの資本財を作りこれを利用して生産性を高める段階への変化としてとらえた。したがって、産業を消費財産業と資本財産業とに分類し、「消費財産業の純生産額」÷「資本財産業の純生産額」(ホフマン比率)を見ることで経済発展の程度がわかると考えた。すなわち、単純に考えるとホフマン比率が低ければ資本財を多く生産していると思われる。

 

 アーサー・ルイスは、開発途上国の経済を伝統的部門(主に伝統的農業)と近代的部門(資本集約的産業)とに分ける2部門モデルを提案した。ルイスによれば、経済が一定の発展段階に達するまでは伝統的部門からの固定賃金での無制限労働供給が続くため、経済援助の効果がなかなか現れないと考えた。

 

 ルイス=ラニス=フェイモデルは、途上国の労働市場を、農村から都市への労働力の移動という視点から分析した経済モデルで名前はこのモデルを考案・発展させた経済学者の名前による。

 

 ここからは、個人的見解となるが技術進歩 (産業革命等) によって伝統産業(伝統的部門)から近代産業(資本集約的産業) にシフトするといえる (なぜなら、技術進歩は人々の仕事や生活を楽にするものだからである)。そして、新しい産業を作り出す場合がある。これらの移行モデルはマズローの欲求階層説に通底すると思う。