今回は、前回の記事の最後でも述べた通り、
『ドクター・デスの遺産』の原作本と映画との違いを記述していこうと思います!
そこで、原作の内容の流れを細かく分けて
比較を埋め込みながら、記していきます。
(※主人公などの説明は省く)
⑴事件の始まり〜少年・馬籠大地による証言〜
警視庁通信司令センターに入った、八歳の男の子から入った証言から物語は始まる。馬籠大地くんというその少年は、父親が肺がんの為に自宅療養していたが、その父親が亡くなる際に「二人の医師が家に来ていた」と証言した。この事を調べるために捜査一課の犬飼と高千穂は、大地に会いに行くことに。
👉この点は、映画とはあまり変化がないように思います。馬籠大地くんが疑問に思った、父親の最期に立ち会った医師が最後までこの物語のキーになってくるので、この冒頭部分はしっかり読んでおく必要があるかなと思います!
(2)ドクター・デスの存在を意識させるサイト
その父親は解剖の結果、塩化カリウム製剤の注射をされた事によって、なくなったと分かった。大地の母親が、その後の調べから「ドクター・デスの往診室」というサイトで「安楽死 請け負います」という文を見つけ、そこに依頼をしていたことが分かった。母親は、その安楽死を請け負ってくれた医者には感謝していたようだった。
👉この母親が、安楽死をプラスに捉えてる点にもあまり映画と違いはないように個人的には思います。しかし、映画では映像が付いているので、本よりも表情が細かくわかるので、この場面は映画の方が心揺さぶられるように思います。ただ単に嬉しく、感謝するというようなことが言葉で表されている原作とは異なり、映画本編では自分の旦那さんを、安楽死という形でも安らかに永眠させてくれた医者への感謝が、悲しみと介護の疲労感、解放感などと入り混じって、表情に出ていて、感情がかなり見ている側も揺さぶられるのではないかと思いました。
(3)安城邦武という男の死
警視庁通信指令センターに「ドクター・デスに安楽死させられたやつがいる」という通報が入った。ドクター・デスの時間がニュースの報道によって世間に知れ渡ってしまったからである。その亡くなったと言われたのが、安城邦武である。この安城邦武は、工場の爆発事故の被害者で、病院で死亡してしまった。妻は夫が苦しんでいるのを見るのが辛く、目を背けていた。その結果、何もせずに夫はなくなってしまったのです。警察による捜査の結果で、塩化カリウム製剤の入ったバッグは見つかったものの、防犯カメラの映像も不審な点は見つからず、ドクター・デスの犯行だと裏付けることは出来なかった。
👉ここの描写は、映画ではほぼ無かったと思います。この他にも後で述べる通り、原作では様々なドクター・デスに関する事件が扱われていますが、時間の関係上映画ではこのような描写は、簡単にまとめられ、警察内の会話程度でしか扱われていませんでした。
《ここで注目しておきたいところ》
映画と原作では、製作者が注目してほしい点が異なっている!
先程の細かい事件が、少ししか扱われてないことから分かる通り、映画と原作の本では注目している所が違うと個人的には思います。
◎原作本
→ドクター・デスの犯人を解き明かすためのヒントとなる細かい事件に焦点を当てている。この事件一つ一つを淡々と記述し、それをテンポよく書くことによって、結末に流れよく繋げている。
◎映画
→ドクター・デスの犯人を解き明かすための一つ一つの事件の詳細よりも、それを解き明かす警察官、つまり犬飼と高千穂のバディ感、そして二人の情熱的な熱気ある捜査、更には犯人の安楽死をなんとも思っていない恐ろしさを表す演技に、画面を通して焦点を当てている。
この焦点の当て方の違いには、やはり本と映画の媒体の特徴の違いがあると思います。
本は、文字で描くため、表情などを映像では表せません。その為に、一つ一つをしっかりと細かく描く必要があります。客観的に見る人にも想像できるよう、映像の何倍も細かく書く必要があります。時間の制限も、映像作品よりはなく本の厚みが増すだけです。(笑)だからこそ、原作本では事件一つ一つがしっかりと細かく描かれ、それを並列してテンポよく描かれていたのではないかと思いました。
反対に、映画(映像媒体)では、役者さんによる演技や表情を表すことができるので、口で言わない様々な感情を、演技で伝えます。だからこそ、本に描かれる文字とは違い、人間だからこそ読み取れる感情を様々な場面で多用しています。この感情や勢いの表現は、映像作品では本よりも重視しているのではないかと思いました。時間の制限に関しては、映画は、上映時間が大体2時間程度のことが多いのでそこの縛りは本よりもあると思います。その為、本ほど細かく詳細に描くことは困難だと思います。細かい事件が、少しずつ省かれていくのは、仕方のないことのように私は思います。
まだまだ場面はあるので、ここで比較の前半として、一度限ろうと思います。
次は後半部分の結末に向かうところを更に比較していこうと思うので、是非次もお楽しみにしていてください♪