赤毛のアン
MXテレビ
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第42話 新しい学園生活
2020年9月14日(月)放送
シャーロットタウンにある、ミス・ジョセフィン・バリーの屋敷へ到着すると、馬車の音を聞いて首を長くして待ちわびていたジョセフィン・バリーが出迎えた。
ジョセフィン
手紙にも書いたけど、うちから通ってもらいたかったんだけどねぇ、うちからじゃ少し遠いし、毎日のことだからね、食事がちゃんとした下宿先を探しておいたよ。
下宿先に案内され、部屋に荷物を運び、ようやく一段落したアンだった。
その頃、マリラは寂しさをまぎらわせるために必死で家中磨き上げていた。2階に上がると、アンの部屋に入るマリラ…。
何をしてても結局、寂しかった…。
ジョセフィン
二人には今夜、うちの屋敷に泊まってもらおうと思って話をつけているんだよ。
マシュウ
わしは帰るよ。
ジョセフィン
今からじゃ夜遅くなるじゃないですか!
マシュウ
いや…明日から刈り入れもあるし、マリラに、アンを無事に送り届けたと早く報告してあげた方が安心するだろうから。
ジョセフィン
あら、そうですか、残念だけど…
そしてマシュウは、夜遅くにグリーンゲイブルズに帰ってきた。
マシュウは、馬車での移動の疲労よりもアンとの別れからくる喪失感を強く感じてるようで虚だった。
マリラ
兄さんも疲れてるみたいだし、刈り入れもだいぶ遅れてるんだから、もう寝た方がいいですよ。
その夜、マシュウはベッドの中でため息ばかりついていた。
そして、マリラは初めて泣いた。壁の向こうの小部屋にあの活発な若い娘の、柔らかい息づかいがもう聞かれないのだという思いが痛いほど胸を締め付けたのだった。
翌朝、アンはジョセフィン・バリーの馬車に乗りクイーン学院へ初登校した。
今日はクラス編成だった。アンは1年で一級の教員免許を取れる上級クラス、ルビーやジェーンたちは下級クラスで2年かけて二級の免許を取るクラスだった。上級クラスにいる知り合いはギルバートだけだった。
アンはそっと周りを見回しながら友達になれそうな子を探した。もちろんどんなに好きな子ができてもダイアナを1番に思う気持ちには変わりはないが…
先生
上級クラスの勉強はなまやさしい気持ちではついていけない!2年で修得するべき勉強を1年でやるのだから諸君は相当な覚悟が必要である。しかし、その努力は必ず報われるのだ!特に卒業時に、最高の栄誉者の金メダルは、この50人のうちの1人の胸に燦然と輝く事であろう!
と…ギルバートの姿がアンの目に入る。
アン(心の声)
ギルバートのあの目の輝き…きっとメダルを手に入れようと決意したんだわ!
突然アンは、心の中に激しい闘志が沸いてくるのを覚えた。ギルバートとこれまでの競争をこれからも続けていけるのだ。それがきっと自分を支えてくれる。たとえ友達になれなくても、二人が同じクラスで本当によかった。アンは、改めてそう思うのだった。
クィーン学院の第一日目は、珍しさと興奮で楽しく過ぎた。学校が終わり、下宿先の自分の部屋に戻ったアンは無性に寂しさが込みあげてきた。
窓の外に、アボンリーの風景やダイアナの住んでるオーチャード・スロープを想像していた。
ダイアナを思うと涙が出てきそうだった。
そしてマリラが持たせてくれたクッキーを食べようとすると、涙が出てきた。
アン
だめだわ!…何かおかしなことでも考えて、涙を止めなくっちゃ!でもおかしなことなんて、みんなアボンリーと関係があることばかりだわ。余計恋しくなってしまうわ。今度の金曜日には家へ帰れるんじゃないの!あぁ、でも何百年も先のことみたいだわ…!ああ、元気になんかなれそうもない!なりたくもないわ!いっそ悲しいままでいる方がいいわ!
泣いていると、ノックの音がして入ってきたのはジョーシーだった。今はジョーシーでも嬉しいと歓迎していたが…
ジョーシー
あんた泣いてたのね?もうホームシック?泣いちゃダメよアン!あんたには似合わないわ!だって鼻も目も真っ赤になるし、それじゃどこもかしこもまっかっかになるじゃない!アン、なんか食べるものない?私飢え死にしそうなの!
と、マリラが持たせてくれたクッキーを見つける。
ジョーシー
やっぱり!頂くわよ!きっとマリラがあんたのためにお菓子をいっぱい持たせただろうと思ってね!そういえば、新しく友達になったフランクがあんたの事、あの赤毛の子だぁれ?って私に聞いたのよ!だから、私、あんたがカスバート家にもらわれた孤児で、その前の事はだぁれも知らないって答えておいたわ!
アンがイラッとして怒り出そうした時、ルビーとジェーンがやって来た。
アン
わぁー、ジェーン、ルビー!
ジェーン
今朝からもう何ヶ月も経ったみたい!
アン
ホント!よく来てくれたわ!
アンの涙の跡を見ると、ルビーもジェーンもホームシックで来る前に散々泣いたと話し出す。皆、同じ寂しさを分かち合って笑いあう3人だった。アンがマリラが持たせてくれたクッキーの缶を差し出す。
ジェーン
まぁ!
アン
マリラが焼いてくれたの!
ルビー
ひとつ頂くわ!
ジェーン
まさにアボンリーの味!
ルビー
ねぇアン!あなたも金メダルを狙っているんでしょう?
アン
どうせなら夢を大きく持つのは悪くないでしょう?
ジェーン
もちろんよ!
ルビー
でもギルがいるわよ!
ジェーン
それがいいのよ!
ジョーシー
それで思い出したけど、今度からクイーン学院にエイブリー奨学金が出ることになったのよ!?フランクが言ってたわ、フランクの叔父さん理事なのよ!明日学院で正式な発表があるらしいわ!
アン
エイブリー奨学金って?
ジョーシー
あらぁ、あんた知らないのー?卒業する時に国語学と国文学で最高の成績を取った者に渡される奨学金のことよ!
ルビー
そう!年に250$貰って4年間エドモンドカレッジに通学ができるのよ!
アンの目標は一瞬で変わった。
アン
取れるものならその奨学金を取ろう。国語ならあたしの得意な科目だもの。
エドモンドカレッジを出て、私が文学士になったら、マシュウはどんなにか鼻を高くするだろう!4年間も家を離れるのはつらいけど、マリラだってきっと許してくれるに違いないわ。ああ…!大望を持つことは楽しいわ!ひとつが実現すると、次がもっと高いところで輝いてるんだもの!ああ!大望を持つって、人生をとても張り合いのあるものにしてくれるわね!
アンは改めて勉強を頑張ることを決意した。
てっきりジョセフィンおばさんの家から通うとばかり思っていたのでなんかガッカリ…。私がガッカリする事もないかもしれないが、楽しそうなジョセフィンおばさんとアンの姿が見れないから、やっぱりガッカリなのだ下宿先は、食事はちゃんとしてるのだろうけど、人柄的に温かみがあるようなオーナーではなかったので、あんな感じじゃ慣れるまではホームシックになっちゃいそうだなと思った。一方、アンが居ないグリーンゲイブルズは、とても寂しそうだけど、これも日が経てば慣れてくるってもんよ!って思うしかないよね
赤毛のアン#43週末の休暇