リッチマン、プアウーマン
第9話-1
文字数オーバーのため2回に分けて紹介
日向徹→小栗旬
夏井真琴→石原さとみ
朝比奈恒介→井浦新
朝比奈耀子→相武紗季
山上→佐野史郎
事務次官の藤川→大地真央
安岡→浅利陽介
細木→植木紀世彦
小川→ 中村靖日
2人は、新しい事務所を訪れた。社員の小川、細木、安岡の3人がついて行くと言っいていたので日向徹はその日のうちに、新しい事務所を借り、机や椅子を注文していた。椅子は日向徹の分も含めて4つ。
真琴
私の分は無いですね。
日向徹
お前が来るとは聞いてないからな！
机の上には納品書があった。
高っ！いいですね！お金に余裕がある人は…。把握してないの？
日向徹
確認しておく！
日向徹は弁護士に資産を確認すると自宅や車は会社名義になっており、家具を売却しても、わずかなお金しか残らなかった。
バイクを売ったらどうなる？
翌日、真琴のアパートに転がり込もうとしたが、拒否され、真琴と共に笛木匡正の寺に行く
苗木
あなたが一緒でよかった。母親に置いて行かれて、今度は仕事のパートナーとは言え、やっと心を許せる人と出逢えたと思ったのに…
私には心を許せるでしょうか
苗木
遠慮しないでガンガンぶつかってってください…それで、壊してやってください！彼の、壁を…
真琴
はい…
新社長となった朝比奈恒介は、業務提携先のJIテックからお金がかかりすぎると指摘され、インターフェイスの変更を求められると、快諾した。
小川
向こうは金を出す。こっちは技術を出す、こちらが高い技術を提供しなければ、やる意味がありますか？
朝比奈恒介
ある
と、新しい雇用契約書を差し出した
給料…こんなに！？
国の大切な情報を扱うんだ、責任を考えればこれくらいが妥当だし、君たちにはその能力があると思ってる！東京タワーやスカイツリーを作った人たちの子供が、僕のお父さんはアレを作ったと誇らしげに言うように、君たちの子供も言うんだよ？僕のお父さんはパーソナルファイルを作ったと！君たちはそういう仕事をするんだ！商品は完成させて世に送り出さなければ意味が無い！作り替えてもらえるかな？
小川
わかりました。
昼、朝比奈恒介が耀子のレストランでランチを食べていた
耀子
悪いけど、ランチの時間は終わりなの！あと私、家を出るから！適当に部屋探すわ！
怒ってる事を表すのにわざわざそんな事をする必要ないだろ？
耀子
違うわよ！元々、嫌いなの！お兄ちゃんのこと。
真琴は日向徹の貯金通帳をみて驚く。
真琴
見たことなーい、こんな数字…3億！
3億円あった貯金が、わずか数ヶ月で15万円になっていた。
日向徹はヒマそうに椅子でくるくる回っていた。
真琴は壁に「節電」「節水」などを書いた紙を貼った。
なんだそれは！
真琴
日向徹の金持ちマインドを強制するシステムです！
日向徹
猛烈にカッコ悪い！
真琴
一日中そうしてるつもりですか？
日向徹
頭いたーい
真琴
グルグル回ってるからですよ！
真琴は「仕事をしよう」を壁に貼った
真琴
見えてますか？世の中を良くしようとか、そう言う事も凄く大事だと思います！でもまず働かなきゃ！
やりたい事がないんだ…
真琴
誰もやりたい事が見つからなくてとりあえず大学に入って会社に入って与えられた仕事をして、そのうちに自分のやりたい事ってこう言う仕事なのかもしれないって思って…それって凄くいい事だと思います！
日向徹
そうすればいいのか？！僕も？いや、お前の言う通りだ！でも今は…
真琴
今は？
日向徹
¥74を貸してくれ！そこのケーキ屋は毎日５時過ぎると全品半額になる！今は…プリンが食べたーい！
2人でケーキ屋に行った。日向徹が店から出てくると真琴は電話をしていた。話を聞いていると母親との電話のようだった。
そう！だから研究所は断った。就職活動もやめた！いいの！会社を作ったから！ウチはやりたい事やるんだから！仕事はすごい順調だし！またかけるね
その日の夜、テレビで、ネクスト・イノベーションが実用化に向けた運用実験を開始するパーソナルファイルの新しいインターフェイスが紹介されていた。
なんだこれは！
朝比奈恒介が総務省の会合に出席した
事務次官の藤川
技術力をアピールするには少し物足りない気もしますけどね…以前、日向徹さんが作った方が、洗練されて使いやすいと思いますが…今のはまるで、お役所が作った使えないwebサイトみたいですけど？
朝比奈恒介
予算の問題です。国民の税金で作るにしては、以前のインターフェイスはコストがかかりすぎます！現実的に模索した結果です。
ネクストイノベーションから日向徹が抜けると、結果…こういうことになんですね、わかりました。
会社に戻った朝比奈恒介は、ネクストイノベーションのメッセージが書かれた壁をペンキで白く塗るために業者を呼んでいた。真ん中の日向徹が書いた字を業者が塗ろうとすると、朝比奈恒介がやめさせ、自分で白いペンキで塗りつぶした。
そして、朝比奈恒介は、以前に壁の隅に真琴が書いた澤木千尋の住所を見つけ、写真を撮った。
真琴がATMで自分の通帳を記帳をすると、ネクストイノベーションから150万円が振り込まれていた。
朝比奈恒介は会社を出て、タクシーを止めようとすると、耀子に声をかけられた。
耀子
社長は忙しいそうねぇ！
朝比奈恒介
お前今どこにいるんだ？大丈夫なのか？
耀子
お兄ちゃんの顔を見なくてすむから気楽でいいわ！
朝比奈恒介
こっちもお前が出て行ったから、堂々と彼女も部屋に呼べる。これから、夏井さんに会うんだ！
真琴は喫茶店で朝比奈恒介と会い、振り込まれた150万円を返そうとした
朝比奈恒介
返さなくていい、約束の成功報酬だ！日向はどうしてる？
真琴
気になりますか？
朝比奈恒介
あいつが反撃してくるならその出鼻くじかないと、こっちはやられるからな！
真琴
何もしてないですよ…ホントは私と一緒に居るのも嫌なのかも…
朝比奈恒介
君は自分で選んだんだからな！
真琴
はい！
その頃、耀子は日向徹の事務所を訪れ、USBメモリを差し出した
耀子
お兄ちゃんが情報漏洩を仕組んだ証拠が入っている！
日向徹
こんな事してくれなくていい！
耀子
どうして？ハメられたのよ？
日向徹
もうどうでもいいんだ！
耀子
貴方のために何かしたいの！
日向徹
やめてくれ！君には関係が無い…
耀子
これ、夏井さんが？
日向徹
あぁ…
耀子
ねえ！いいお店を見つけたの。ちょっと付き合わない？
日向徹を連れ出した。
日向徹
どこに行くんだ？店はどこにあるんだ？
耀子
いいから！
耀子は日向徹を喫茶店の前に連れて行くと、店の中では真琴と朝比奈恒介が話しをしていた。
耀子
わかったでしょ！あんまりいい人ぶっているとバカを見るわよ！行こう！
リッチマン、プアウーマン
第9話その2へつづく↓
