こんにちは。


映画や演劇を観にいくとき、何を求めてお金を払いますか?


僕はやはり衝撃でしょうか。なにかすごいものに突き刺され、深くえぐられ、打ちのめされたい。

というのはきっと僕がしょっちゅう間違いを犯し間違いを繰り返す間違った人間だからだろう。むかしからそう思っていました。

すごい作品に心を掴まれ震わされると、まあそんな自分でもいいか…と腹を括り、よし頑張るか…と発奮する。自然と顔が上がり前を向くことになるのですよね。


映画『一月の声に歓びを刻め』

三島有紀子監督の最新作を、なるべく情報を耳に入れないようにして、ほぼ真っさらな状態で観た。

観終わって、席を立ち、新宿の街をぼーっと歩いた。

歩きながら言葉にならない…というか言葉にしなくてもただ揺れているだけでいいか…という気分に浸る。

この気分を解釈したくない、もったいない。


「人はみな罪人である」


性加害という問題は自分にとって、まったく他人の話だと思っているところがありました。

ですが、遠い話としてこの映画を観ることはできなかった。

さまざま間違いを繰り返す間違った人間として僕は、ここに登場する女性たちに(そして性を葬った人間に)つよく打ちのめされました。

なぜこんなに打ちのめされるのか?

…そこはひとまず放っておきます。


顔が、上がる。

よしがんばろう。




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