つづきです。

 

「展望台までの近道ルートはこちら」

と書かれた小さな看板を見つけたが、危険な感じを察知し

正規ルートを進むこととなった私達3人。

 

もうすぐかな?

と期待しながら、くねくねとした道を進み、

カーブの先に現れる展望台を次こそはと願う。

 

しかし行けども行けども、案内板もなければ展望台もなく、そのうち道が下っていることに気が付いた。

 

頂上に向かっているはずなのに・・・。

時間はもう16時をまわっている。

この下り坂の出現で私たちは、ついに来た道を引き返すことにした。

 

「展望台どこにあるんだろうね?」

たどり着けなかった展望台に思いをはせた。

 

「また来ればいいよ」

結花ちゃんは元気に言った。

 

一度通った道を歩いていると、行きに見つけた

「展望台までの近道ルート」の看板が再び目に留まった。

 

結花ちゃんは言う

「ちょっとこの道見て来るよ」

 

えっ?

 

「じゃぁ私も行くよ」

雪さんも続く。

 

えっ?行くの??

諦めたんじゃなかったのー!!

 

「まってー危ないよー私も行くよー」

 

かろうじて道とおぼしき道に足を踏み入れた。

急斜面に足を取られる。

くもの巣をトレッキングポールで振り払い、草をかき分け進んでいく。

 

そんな中でも結花ちゃんは

「あっ淡竹見つけた」

と言った。

こんな中でもしっかり収穫する姿がたくまし過ぎる。

 

淡竹は地下茎が浅く地上にすぐ顔を出すので、手でぽきっと折ってとれます。

アクも少なく基本下茹でするだけで食べることができるので、天ぷら、炊き込みご飯、炒め物、パスタなどの様々な料理に活用できるのが魅力です。

 

しかしもうここから先はどちらに進むのが正しいか分からないほどの道になったしまった。

「ちょっとまってて」

と言うと、結花ちゃんは多分こちらだろうと思しき道を数十メートル進み、両手に淡竹をかかえて戻ってきた。

 

「やっぱり今日は無理そうだね」

と、今度こそ本当に諦めることとなった。

 

私は

「うんうん。そうしよ」

と二人の気が変わることを心配し、もと来た道をどんどん引き返した。

 

こうして、気軽に参加したハイキングが、まるで冒険のような一日を体験することになったのでした。

 

あぁー楽しかったです。

 

夜、結花ちゃんからのLINEには

「来週予定合えばリベンジね~」

 

ガッツあるれる友達の話でした。

おしまい。