節分の日
普段は仕事が忙しく、イベント不参加の旦那さんも今年の節分は休日だった為、久しぶりに家族三人で豆まきをした。
夕食を食べた後、
「そろそろ豆をまこうか?」
と旦那さんが言った。
例年、豆まきに不参加の旦那さんは、我が家(私)の豆まきの仕方を知らない。
私はリビングの床にボールをひとつ置いた。
旦那さんは
「ボール何するの?」
豆まきにボールがなぜ必要か、不思議そうに私に聞いた。
「”鬼は外”はお庭に豆をまいてもいいけど、”福は内”はこのボールの中に豆を入れてね」
私は言う。
この豆まきのやり方しか知らない娘も、
「そうだよ。ここに豆を入れるんだよ」
と当然のように言う。
部屋に豆をまくと、その豆を片付けるのが大変な為、私はボールに豆を入れるという独特の豆まきを例年行ってきたのだ。
私のように部屋に豆をまくことに抵抗がある人は、小袋に入った豆をまいたりするだろう。
でもそこも変なこだわりがあり、小袋の豆はなんだか違うきがしていたのだ。
ボールにそっと豆をいれている時点でずれていそうだが・・・。
私の子供の頃の豆まきは、家中の部屋や廊下に豆やお菓子や小銭をまき、それを兄と私と喜んで拾った楽しい行事だった。
部屋の中にポツンとボールが置かれ、そこに豆を入れる豆まきしか知らない娘を不憫に思うが、その変わりに外には思いきり豆をまいている。
いつもはリビングから庭に向かってしか豆をまいていないのだが、せっかく3人いるので今年は玄関もまこうと言うことになった。
最初に玄関から外にむかって
「鬼は外ー」
娘が玄関ドアから半身を乗り出しポーチのタイルに豆をたたきつけるようにまく。
叩きつけられた豆はタイルに跳ね返り玄関内にもどってきた。なんだか不吉。
「鬼戻ってきたよー」
娘はケラケラ笑う。
「下にまかないで遠くに投げるようにまいてよ」
私は娘に言った。
娘は再び
「鬼は外ー」
今度は遠くに投げようと腕を大きく振りながら豆をまいた。
玄関前にある壁にぶつかった豆がまた玄関内にもどってきた。またまた不吉。
「また鬼もどってきたー」
娘は大爆笑。
なんて不器用な娘だ。
娘から豆をひとにぎり受け取り、私と旦那さんで跳ね返らない方向に豆をまいた。
そして
「福は内」
玄関に置いたボールにそっと豆をいれる。
同じように、リビングの窓からお庭に豆をまき、室内のボールにそっと豆をいれ、今年の豆まきも終了した。
いつか室内にもせいせいと豆をまく心の余裕が私に生まれるといいのだが。
それでは本日の一曲
SG
「僕らまた」