もう間も無く。


自分の好きな事しか出来ず、飽きっぽく流されやすく、強い意志もなければ計画性もない、社会的にも不適合、人間的にも不適合な自分が最も輝く時間帯が訪れるのです。こんなに自分で自分を咎めて、まるでドM


丑の刻参りでも家業にした方がいいんじゃないかってくらい。

深夜3時が元気なのです。


もしかしたらそんな時間に起きてるってまずいのかもしれない。

でもそれは、一般的に考えたら殆どの人が寝てる時間ではあるものの、

1日という24時間を、誰よりも真っ先に楽しんでいるということではないかと思うわけです。


先に楽しんで、みんなが頑張り始める時に寝る。

夕方以降は、みんなと一緒に楽しむ。


そう考えると刹那的な快楽主義者のような一面、合理的な一面の表裏の関係、天才とバカは紙一重に通ずるものがあるのかも知れない。


と言いつつもグータラ生活をしてるので、無論生活には自信がない、

いや、実は家事全般得意なのだが(特に料理と掃除)それは自立してない生活感からくるコンプレックスなのか、やればできる、から来る怠惰なのかは難しいところである。


生活に自信がないというのは厄介なコンプレックスな筈なのにアンケートなどの職業欄には「無職」と記入する。「音楽家」と書いたところで、詮索されることになり、サックスの話まできたらもうお決まりの、武田真治さんやケニーGさん、渡辺貞夫さんの名前が挙がり「いえ、クラシックで」みたいな流れになっても結局はそこはスルーで有名なサックス奏者の話をされる。


そういえば高校時代、家から高校までは歩いて徒歩5分だったものの、

通りがかりにあるバス停で俺たちを捕まえて「おれはナベサダと~~」みたいに喋ってた実際中々怪しい感じのおっちゃんは元気なのだろうかと。強いていうならば「このマフラーはカシミア100%で~~」と余計に拍車をかけていたような気もする。楽器を持ってなくても音楽をやっていると顔バレしていたのでかなりの確率で捕まっていたのが懐かしい。


そのような具合で有名な人の話をされることも多いのだけど、日中人と会う中でサックス吹き日常的な会話一つであることは間違いない。

武田真治さんは「サックスって何?」と聞かれたらなんて説明しているのだろう。


「サックスとは何か」挨拶はテンプレ化してるので、それを避ける為に「無職」なんて書いて、謙虚でも不誠実でもなく、どちらかというと逃げや傲慢に近いものがあるなとは感じる次第。そしてそれも攻防一体の一対の関係を保っている可能性がある。


そもそも自分の活動が音楽家なのかと自問自答して見ると、頭に浮かぶ映像はグータラしてる自分の映像ばかりで、とてもミュージシャンとは言えないシーンばかりなのだから、もしかしたらそういった意味では正直者なのかもしれない。


それもそうかと、何だかんだ楽器を演奏している最中のことは記憶にないことが多い。集中すればするほど一瞬の出来事だし、思い返せる事といったらそれまでの苦しいリハーサルと事務作業や爆笑ハプニングばかり。


体験な筈なのにあんまり覚えてないっていうのは意味不明な現象だし、

ただのドMなのではないかと。

やはり音楽は自分の為にやっていないのではないか、と思ったりもしてみたが、それは「ドMは君のため」に通ずるかなりファンタスティックな世界観を推奨するようで、そんなに簡単なことじゃないね。


直近の演奏でも、演奏中の感覚っていうのは別世界にいるように感じる。演奏って大量のアウトプットを脳から行うので、終わった瞬間脳みそも空っぽ、人間としても空っぽの様になってることにも自覚できている。

てことは演奏後って、何にも残ってないから正真正銘のクズ野郎になっている筈。一通り事を終えたドMは自分をクズだと思うことでさらにご褒美となるのであるから、きっとこれは合っている筈だ。


夜の3時には、誰にも触れ合う事なく本やDVD、アップルミュージックからインプットを続ける。インプット無くしてアウトプット無し、深夜に起きてる理由のうち唯一の大義名分である。



一般的な生活から遮断される事で、夢を見るしかすることはなく、アイデアも降っては流れて、ロマンチックに書くと流れ星の様である。

きっと世の中のドMの皆様も大量のインプットやアイデアを蓄えているのかもしれない。

Mとはインプットを求めるストイックな人間なのかも知れない。

尊敬と蔑み、どちらがドMにとって心地よいかと言えば蔑みである。

その蔑みから生きる活力を見出すことができ、深夜に起きていることは

それ自体が社会からの蔑みであるから、元気が出るのかも知れない。


そんな思いを込めて深夜3時を「ドMゾーン」と呼ぶのはいかがだろうか。



もしかしたら音楽の世界ではCメジャーで曲を書くと

シンプルさと挑戦的な調性の両面を持つことから

「さてはコイツ、、、」なんてこともあるかもしれない。