名探偵コナンから、未来の平和な2人を
思いつき走り書き


向日葵days 4


「コレ、全部奏音のか?」

蘭ちゃんの隣に座り、テーブルの上に置かれたも
のを指差した

丁寧に編まれた赤ちゃん用のお包みとかスタイ、
小さな靴下とか色々

穏やかな顔で笑って頷いた蘭ちゃん

今日は、事件やっちゅうて工藤さんと毛利探偵は
屋敷を飛び出していて、工藤家と妃弁護士は揃い
近くにあるパン屋さんへ出かけている

オレと凛櫻が挟む形で、ソファに座る蘭ちゃんは
何や今日は怠そうやった

両脇に居るオレらを抱きしめて、あれこれと聞い
て来る

服部くんは優しい?とか
和葉ちゃんは元気?とか

学校は?とか

くっついてる蘭ちゃんの身体が暖かい
お腹の中で奏音が動き回るのもわかった

「和葉ちゃんがね、昔言ってたの」

翔平くんや凛櫻ちゃんがお腹に居る時にね、色々
大変だけど、自分の身体から離れてしまうのは、
淋しいような気がするって

その気持ちがね、何か急に実感出来るようになっ
たんだ、時笑う蘭ちゃん

オレと凛櫻は、蘭ちゃんのお腹に手を当てて、中
からぽんぽん、足形や手形を出す奏音と繋がる

オレらは早く逢いたいけどなぁ、もう少しだけ、
蘭ちゃんの中でええ子にしとるんやで?

「蘭ちゃんは、奏音ちゃんが生まれたら、何した
い?」

「そうねぇ、まずは抱っこして、顔がみたいかな
あとは、こうしてハグしたいな」

ギュッとオレと凛櫻を抱きしめる蘭ちゃん

「オレは、写真たくさん撮る」

「えー、凛櫻もやりたい」

蘭ちゃんを挟んで、3人で自撮りして

蘭ちゃんと凛櫻をオレが
蘭ちゃんとオレを凛櫻が撮影して行った

撮影しとる写真を一緒に見てる途中で、蘭ちゃん
が急に苦しみ始めた

「凛櫻!蘭ちゃんを横にして、オマエは手を握ってやれ!」

「うん!」

オレは深呼吸してから、有希子さんに電話した

えっ!と言うた後、すぐに戻ると言うので、オレ
はキッチンやバスルームに向かうて、タオルをい
くつか抱えて戻った

「凛櫻、蘭ちゃんに丸めたバスタオル、腰とか敷いてやれ」

わかった!と言う凛櫻に任せて、オレはキッチン
に行って、タオルを水で濡らして絞り、蘭ちゃん
にひとつは握らせて、ひとつは冷や汗を拭いてあ
げるのにした

風呂はなんとなく沸かしておいた方がええ気がし
て、沸かして、後は凛櫻と2人で蘭ちゃんの傍に
居て励ました

「大丈夫やで、もうすぐみんな来るし」

オレらも居るから

オレは携帯でみんなに報せた

「りょうちゃん」

オカンが電話を繋いで、スピーカーにしろと言う
からそうした

蘭ちゃん、大丈夫や
心配あらへんよ
うちのラッキーボーイとガールが傍に居るからな

ゆっくり息して
痛いとこあったら、りょうちゃんかりおに言うて
ええよ、さすってくれるから

私も、身体が痛い時、2人にやってもらうねん
上手やで?

オカンの声を聞いて安心したんか、蘭ちゃんは少
しずつ頑張ってゆっくり呼吸し始めた

スピーカー越しに言われる通り、蘭ちゃんに水分
とらせたり、背中や腰をさすってあげて、待った

もの凄い勢いで、工藤家と毛利家の面々が帰って
来た時、助産師さんが駆けつけててくれた

客間に運ばれた蘭ちゃん
帰って来た有希子さん達にありがとうと言われて
オレ達はリビングで奏音の誕生を待つ事に

「りょうちゃん、りおちゃん」

落ち着いて、よう対応出来て偉いなぁ
お母ちゃん、迎えに行ったらハグとちゅーしたい

蘭ちゃんもきっと、心強かったと思うよ
平次にも褒めてもらおうな

オカンにそう言われて、ほっとした
何も出来ひんかったけど
蘭ちゃんと一緒に留守番してて良かったと思うた

オカンに、蘭ちゃんといっぱい写真を撮ったんや
でって言うたら、ええなぁ、ほな蘭ちゃんの妊婦
姿、最後はりょうちゃんとりおちゃんが一緒に写ったんやね、と言われた

「工藤くん、やきもち妬くかも知れへん」

そう言うて笑うオカンの傍から、凛音と奏平が、
泣き出したのが聞こえた

明日には来る、と言うオカン
おとんの方が早く着くかも知れへんよ、とも
オカンはばあちゃん達と一緒やって

待ってるな!と言うて電話を切った

「りょうちゃん、りんりんとそうちゃんに会いたいね」

「せやな、早う会いたいな」

優作さんと、毛利探偵がソワソワ客間の前を右往左往しとる

有希子さんと妃弁護士は助産師さんと一緒に客間
の中や

あ、と思うて、オレはカメラを構えて撮ることに
した

凛櫻は、携帯で撮る

玄関からもの凄い音がして、工藤さんが現れた

蘭!と叫んで飛び込んで来て、まず手洗いをと部
屋から追い出されて、また飛び込んでいった

「りょーへい、りお」

「「おとん!お父ちゃん!」」

現れたおとんに、2人で飛びついた

よいしょ、と言うてオレを背負って凛櫻を抱っこ
したおとんは、2人とも頑張ったんやて?と笑う

ええ子にしとったよ、と口をとんがらせ自慢する
凛櫻と、ドヤ顔のオレに呆れながらも、ようやっ
たな、オレの自慢の子やと褒めてくれて

要らんと言うのにほっぺにチューまでされた

ソファに座って、おとんを真ん中にして、蘭ちゃんと撮影した写真を見てもらう

「いい写真やないか」

蘭ちゃんも穏やかな笑顔
優作さんや毛利探偵も褒めてくれた

おとんはさすがオレの子供と言うたけど
毛利探偵は、いや、和葉ちゃんの血だろ、と笑う

「奏音、今日会えるかな?」

「そうやなぁ、初産やし、少し時間かかるかも知れへんで?」

おとんはそう言うと、オマエらは少し寝た方がええな、と言う

生まれたら起こしてやる、と言うおとんは、夕飯
食べて、風呂入ったら一旦寝ろと言うた

有希子さんが客間から出て来て、お手伝いして、
みんなでおむすび食べて、蘭ちゃんも客間で食べ
たらしい

おとんが言うた通り、時間がかかるらしく
オレらはおとんに担がれて、泊まっとる部屋て、
おとんに寝かしつけられた

絶対、起こしてや?と約束して
オレらは一旦寝る事になった

to be continued