私のことになりますが・・・
短大を卒業して早20年・・・歳がばれますね。
ここ5年はパートですがそれまでは結婚して、妊娠して出産してもずっと管理栄養士をしておりました。
それだけやっていればいろんなことがありました・・。
新人の頃は現場に立たされ、おばちゃんに意味もなく怒られたり・・
朝まで飲んでそのまま早番しちゃったり・・
元気でしたね。
そんな私の栄養士人生のなかで今も忘れられないことがあります。
それは私が老人施設に勤務している時でした。このころは毎日がとても楽しくて、現場は委託会社が入っていたので、栄養ケアを100人やっていました。
その時にいらしたおばあちゃん。
小さくてかわいくて・・なんて失礼ですが、本当に笑顔が大好きでした。
施設ではフロアを良くラウンドしておりました。色々な方をみて、水分が足りているのか
きちんと食事がとれているのか、体重減少、アルブミン値、いつもいつもみていました。
そんな可愛いおばあちゃんの食欲が落ちた時がありました。
それは仕方のないこと・・みんな元気になれるわけじゃなくて・・。
私が栄養士だということはわかっていらっしゃるので、
ねぇ、ねぇ、わたしね、カップラーメンが食べたいんだよ・・って言われました。
でも、高齢になると食べたいからと食べても体調が万全ではないと消化してくれなくて
後からつらくなってしまうんです。
スタッフのみなさんとこういうひとつひとつを検討して、
みんなの了解を得て、私はある昼食にチキンラーメンを提供しました。
その方以外にも食べたかった方はいたようで・・皆さんの笑顔忘れられないです。
そしてその食べたいと言った方は私の手を握り・・
ありがとう・・ありがとうって・・。
今でもその時のことが忘れられません。
そして数日後・・旅立たれました。
人生の終わりに食べたいものを自分の口から食べられる幸せ。
そして美味しいと感じられる幸せ。
私の自己満足ですが・・
こんな時、この仕事をやってよかったなって思います。
食事は心を豊かにしてくれるものだと思います。
それが何であっても自分にとっての一品が人生のうちにいくつ見つけられるか楽しみですね。