かっこいいものがすき。
かっこいいものは重厚感があって辛口。
赤い絨毯に黄金色のプレート。
分厚い表紙の何枚も紙を重ねて辞書のように厚みがある難しい本。
冷血な決定を下す外資系投資銀行員。
貴金属を身につけているのに、チークが塗られていない働く女の顔。
かわいいものは怖い。
かわいいものは軽やかで華やかでやわらかい。
お花畑でゆれるシフォンのスカート
色白な肌の上ではじけるピンク色のグロス。
やたら長い名前のカクテル。
動くたびにゆれる大きなリボン。
生きて、信じて、裏切られて、泣いて、
そうやって生きてきたら、
かわいいものが怖くなった。
かっこいいものは私を支えてくれて、強さをくれた。
だけど、あなたの肩の中にいる時だけは子供の頃のあたしに戻れる。
強さなんていらなくなる。
どう生きていくのかなんて広くて果てしない水平線上のことはわからないけれど、
走って立ち止まってあなたに甘えてまた走って、
そうやって生きていけたらいいのかもしれない。
あなたが立ち止まりたくなったときは
一緒にゆっくり歩いていけたらいいのかもしれない。
だから、今はもっともっと強くなろう。
かわいくてかっこいいあたしになろう。
