放課後のサッカーが5時に終わり、私がお迎えに行ったのは5時半。ほとんどの子が引き続きサッカーに夢中で、順番にシュートを決めたりして盛り上がっていたのに、我が子は隅の方で、お友達とポケモンの話をしていた。うん、まあ、いいんだけどさ。


うまい子って、練習して練習して練習しまくるから、さらにどんどん上達するんだよね。きっと練習がちっとも苦じゃないんだろうな。すごいわ。



ところで最近、息子にとって少し嬉しいことが起きているのだそう。先日初めて我が家で一緒に遊んだお友達との距離が、ぐっと縮まったんだって。


実はその子は普段、いじめっ子のTという男児と同じグループにいる。Tはいきなり殴ったり蹴ったり、理由もなく誰かひとりを仲間外れにしたりする子で、息子も1年生の時に被害にあっていた。


ただ、謎のカリスマがあるらしく、一部の男子からは熱烈に支持されていて、まるで教祖様のよう。熊と戦ったとか、月に行ったとか頻繁に嘘をつくのだけど、それを信じるピュアな子たちがTに惹かれているっぽい。


で、くだんのお友達も基本的にTのグループにいて、Tとの距離を保っている息子とは、普段は接点がないのだけど、土曜に一緒に遊んで以来、ちょこちょこグループを抜けて、息子と遊ぶことが増えたんだって。


「〇〇が、Tのところから自分のところにきてくれて嬉しい。ママが言ってたとおりだね」と、息子が幸せそうに言う。「ほらママがさ、自分がひとに優しくしてたら、いつかみんなわかってくれるんだよって教えてくれたでしょ」


少し前に息子が、自分が仲良くしたい子がどんどんT一派になる、と寂しそうに言ったことがあった。Tが勢力を拡大しているおかげで、日によっては学童でひとりぼっちになってしまうらしい。


でもそこで、なんだよみんな!って腐らずに、優しい気持ちを持ち続けたら、Tといるより息子といる方がいいや、って思ってくれる子が出てくるかもしれないよ、と話したのだ。


私の言葉を、息子なりに咀嚼して吸収していてくれたことに、感動してしまった。寝る前に話してくれた、嬉しそうな息子の声を聞いて、私も嬉しかった。