夜の間雪が降ったのかと思っていたのに、途中で雨に変わったのか、道路にはそこまで雪が残っていなかった。まあところどころ、路面凍結は怖かったけど。


道の端に集められた雪の塊が氷になっている。息子はせっかく長靴を履いてきたので、そういう場所を見つけては、せっせと踏みしだいていた。



『春にして君を離れ』アガサ・クリスティ

数少ない、ミステリ以外のアガサ・クリスティ作品。以前、湊かなえの『母性』を読んだ時、過干渉な毒親を題材にした小説ならもっと傑作があります、とAmazonレビューでオススメされていて気になっていたもの。


そもそも『母性』は、真下みことの『あさひは失敗しない』のレビューでオススメされていたものだ。こんな系統が好きならこの作品もいいですよ、という情報を書いてくれている方がちらほらいて、わりとAmazonレビューを参考にしている自分に気づく。


さて内容は、アガサ・クリスティってすごいな、とシンプルに感心してしまうものだった。主人公は独りよがりで独善的な母親で、彼女の回想を中心にストーリーが進んでいく。


特になんの事件も起こらないのに、退屈させず頁をめくらせる筆力もすごいし、なんといってもラスト、結局そうなるんだ…というのもリアルでゾッとした。


虐待もネグレクトも子供の人格を否定するような酷い描写もないのに、子育ての難しさについて考えさせられる。良い夫婦とは、良い母親とはなんだろう。