息子が段ボール箱とガムテープで作った大きな隠れ家を、2月になったら解体しようね、と約束していた。そりゃリビングにいくらでもスペースがあればとっておいてもいいけど、そういうわけにもいかない。


話し合った末、息子も了承してはいたものの、いざ捨てる日になったら寂しくなったらしく、中に籠もって出てこない。「やー、これ、本読むのにちょうどいい高さだなあ。勉強もできるし、寝るにも最高」

やどかりのようにずっと箱の中にいる。今日の今日まで、完全に放置していたのにさ。遊んでいないどころか、なんなら物置きみたいになってて、よく使うから、と出しっぱなしの文房具などが押し込められていた。


あーせめて、3月までここにあったらいいのに、と息子が言う。でもきっと、3月まであっても遊ぶことはないだろう。捨てるとなったら、惜しいんだよね。わかる。



さて今日は息子と結婚というものについて話していた。むすこもいつか、素敵なお嫁さんと結婚するんだよ。素敵なお嫁さんと出会えるように、むすこ自身も、素敵な男の子になろうね。


すると息子が、あーあ、みたいな顔で「でもオレの人生で、お母さんよりすてきなひとなんているのかなあ」と言った。その言葉だけで私は胸がいっぱいだ。


息子はそのうち、母とのこんなやり取りをさらっと忘れ、かわいい女のコに恋をして、夢中になり、うまくいけば結婚をするだろう。その人を、自分にとって最高の女性だと考えるだろう。


でも今目の前にいる6歳の息子は、お世辞でもなんでもなく、心から私のことを、世界で1番素敵だと思ってくれている。ああ嬉しいなー。幸せ。


「ママ、大きくなったらオレとけっこんしようぜ!」と息子が続けて言った。幼児が深く考えずに、ママとけっこんするのー!、と宣言するのとはまた違って、無理だってことはわかってるけど、言いたい!みたいな。その口ぶりがかわいくてかわいくて、笑ってしまった。私だけは、こっそり覚えておこう。