さて、相変わらず本の虫な息子に負けじと、私は吉田修一を2冊読了。先月は『パークライフ』『空の冒険』を読んでみて、彼の魅力がわかるようなわからないような、微妙な感覚を味わったところだった。
で、今回のこちら。まず、長編小説だと思ってたらどちらも短編集だった。ふむふむ。いっちばん初めに吉田修一作品を読んだ時のような嫌悪感みたいなものはさすがにもうなくて、スーッと話に入り込めた。
『最後の息子』の方の三作はどれも面白かった。特に『water』の瑞々しさは圧倒的。単なる爽やかな青春小説ではなく、田舎の高校生の抱える閉塞感みたいなものをずっと漂わせながら、それでもやっぱりキラキラして最高だった。
『春、バーニーズで』の方は、あんまり好きなタイプの作品ではなかった。うーん。というかね、そこじゃない、そこじゃないっていうのはわかっていて、でも思うんだけど、会社を無断で欠勤するのが、ほんと無理w
20代前半までなら、なんとか。もしくは、サボる準備が実は万端に整っていて、誰にも迷惑かけないっていうのならまだいい。でも人に迷惑かけてさ、それでいて自分に酔ってるような、そこにゾワゾワしてしまうのだった。
その謎の逃避に行きつくまでの、マックでの出来事もなんだかなあだったし、ホテルでの妻との会話はさらになんだかなあだったし、結果、全体的になんだかなあ、だった(雑)。
あと、あまりにも頻繁に出てくるので、もしかして、これが吉田節だ、って感じであえてやっているのかもしれないけど、すみませんが「すいません」になっているのが毎回ゾワゾワする。プロだから絶対校閲が入ってるわけで、ということはわざとやってるんだよね、きっと。なんでだろう。どんな効果があるんだろう。ただゾワゾワするんだけど。

