今夜、浅草の片隅にあるライブハウスがひっそりとニューオーリンズになりました。ニューオーリンズジャズのバンド3本立て。
ヨガ友達がピアノを弾くバンドのメンバーの一人が、来週ジャズの街、ニューオーリンズへ旅立つんだそうで、
今日はその、行ってらっしゃいイベントだったのでした。
お別れ会めいた気持ちでライブハウスの扉を開けたのにそこには、
トロンボーン吹きの彼女への愛のようなものがただただ溢れて、
まるで結婚式みたいな温かさでした。
音楽で生きていこうと外国に旅立つ彼女は、きらきらしてかっこよかったです。
3バンドとも微妙にテイストが違いましたが、どれも彼女がトロンボーンを吹くバンド。

演奏の技術がそこら辺のインディーズバンドとは段違いに上手いなあと思っていたら、彼女自身が芸大出身とのことで、
やっぱ上手いひとの周りには上手いひとが集まるのかなあと感心しました。
ジャズにはあまり詳しくないけれど、
(というかあらゆる音楽に詳しくないのだけれど、)
演奏を聞いていると私の心の奥の方がうずうずと感動して、
やたらに幸せな気分になりました。
曲名もアーティスト名もすぐにわからないけど、あのテラスで夕方になるとかかっていたなとか、
好きだったバンドがよくコピーしていたなとか、
クラブスカのDJが必ずかけたなとか、
ディズニーランドを思い出すなとか、
その曲を口ずさんで遊んだ公園のブランコとか、
時々家でレコードが回っていたなとか、
その時に飲んだコーヒーが苦かったことだとか、
今はもうずいぶん会っていない友達のこととか、
音楽と結びついた小さな幾つもの記憶が呼び覚まされて胸がいっぱいでした。
そして同じように、こうして友達とお酒を飲みながらおでんを食べながら、この曲いいねえと笑い合った今夜のことも、いつか懐かしく思い出すんだろうな私は、
と、ふっと思いました。
最前列に一人で座って俯いているおじいさんが目に映り、私の倍近く生きていそうな彼が、
私の倍くらい思い出を思い出して全身を満たしているんじゃないかと思いました。
例えば、ばあさんとダンスホールに通った2人の青春の日々だとか、
学生仲間と夢中で楽器を練習した若い頃だとか。
人生のたくさんの場面が音楽と結びついて彼の中で繰り返し再生されているんじゃないか、
というような私の妄想。
これを言ったのはヒロトだったか、「音楽はタイムマシーン」

ライブハウスへの行きと帰りは気分が上がって、ちょっとした浅草観光。



日の当たる通りを、私たちは行く。
いや、夜なんだけどさ。

