Gの戦場 | 横浜国立大学 水泳部 ブログ

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遠くから聞こえる蝉の声。だらだらと額から流れ落ちる汗。グラウンドを走る野球部を尻目に、僕は横浜国大のプールへと向かった。例年よりも暑い日が続くと今朝見たニュースのキャスターは、涼しげな笑顔を浮かべながら言っていた。
プールへと向かう階段で、ふと目を手すりへと向けると、照りつける日差しを反射させ、羽を黒光りさせたカブトムシのメスを見つけた。その光はあの日を思い出させるには十分であった。僕の人生を大きく狂わせることになったあの日と。


2019年7月27日


僕は院試の勉強をするために、練習後に研究室にいた。いつもは世界水泳を見たり、うとうとしたりと集中できていなかった。しかしその日は妙に集中力があり、一心不乱に問題を解いていた。問題がひととおり終わると、眠気、疲れが急激に僕を襲った。眠い目をこすり、ケータイを開き時間を確認すると、ちょうど11時11分のゾロ目であった。何か不吉なことでも起こるのか。そんな考えが頭をよぎった。いや、さすがに考えすぎか。僕は少し炭酸の抜けたソーダを、一気に飲み干した。重い足取りで駐輪場まで向かい、中古で傷だらけの原付にまたがり、アクセルを最大まで回し、僕は帰途についた。車通りも少なかったためか、5分ほどで家に着いた。玄関を開けると、むっと澱み蒸し暑く濁った空気が僕を包んだ。すぐに風呂に入り、眠ろうと思っていたが、ねっとりとまとわりつくような湿気が気持ち悪く何をする気も起きない。僕は常温の水を一口飲んだあと、メディシンボールを枕にし、床で眠ってしまった。
30分くらいたったころで、カサカサという音に気づき、僕は目を覚ました。扇風機に揺れるなにかの音だろうと思い、特に気にかけず立ち上がった。
その予想は違っていた。
黒く光る体が、洗濯機から冷蔵庫へと動いていくのが見えた。僕は身体中が凍ったように立ち竦んだ。まさか、そんなわけない、3年間住んでいて一度も見たことがなかったのだから。見間違いだと自分に言い聞かせ、冷蔵庫の方へと目をやると、やはり、その黒い生命体はテレビや漫画などで見たものとまるきり同じであった。僕は人生で初めてGと対峙したのである。人間よりもはるかに小さな虫に何もすることができず、呆然と立ち竦む僕に、人間の無力さを感じた。試しに心拍数を10秒間測ってみると、驚くことに34もあった。まあまあ頑張ったと思っていた今日の練習より4も高かった。これは練習にGを取り入れた方がいいのではないか、なんてくだらないことを考えているうちに、Gは冷蔵庫の下へと消えていった。やつを見逃した、このままでは死ぬ、と思い僕は同期のHに連絡した。
HはGに異常に慣れており、家で出たとしてもし見逃したら何事もなかったかのように日常を続けるようであった。Hに連絡すれば、この恐怖から解放してくれるかもしれない。祈るような思いで、ぼくはLINEをうった。
Gが出た。助けてくれ。このままでは死ぬ。
しかし、いくら待ってもHからの助けはなかった。
そこで僕は直感した。
HはG側の人間なんだ。
考えてみてくれ、もし家にGがいたとして、それを放って日常を送れるだろうか。答えは否だ。そんな人間が存在するはずがない。そして、Gを見つけた上で生かしているという事から考えられるのは、Hの家はGの集会場になっていて、次に襲う家を選別しているという可能性がある。
さらに、HとG、HG、ハードゲイと読める。
7月31日のカウントダウンの写真を見てわかるように、HはHGなのだ。完全にエクスタシーを感じている。これらのことから、Hはやはり、G側の人間であるということだ。Hに家を知られているものは今後気をつけた方がいい。いつGに侵略されるかわからない。
太陽が昇ってきた。時計を見ると、朝の5時を回っていた。僕は生き延びたんだ。
その安心感からか、死んだように眠ってしまい、気づいたら朝練に1時間遅刻していた。猛省しているため、幹部の方々には許していただきたい。
僕は人生をかけてGと、いや、Hと戦っていく覚悟である。
最後の方は死ぬほど飽きてしまい、クソみたいな文章になってしまったが、読んでもらえたら幸いだ。

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関カレがんばろう。







筆者:宮本かれん♪