更新が遅くてすみません。


長くなりましたので、分けて記事を書きます。


分かりずらい部分があるかと思います。


また、素人が書いておりますので、正しくないことが書かれているかもしれませんので、専門の方に質問するきっかけなどにご活用いただければ幸いに思います。


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小児がんの長期フォローアップの今後の課題

講演者 石田也寸志先生 愛媛県立中央病院小児医療センター長


アメリカの発表に驚愕したそうです。

晩期合併症の統計は昔は日本では取っておらず、10~20%と思っていた。

日本でも聞き取りを行い過去に遡り、統計を取りなおしたそうです。

聖路加の細谷先生、真部先生により、治療後サマリーと治療を頑張った子どもに表彰状を作られたそうです。

現在、サマリーや長期フォローアップ手帳は来年にプロトタイプとして実施してみようと考えている。
手帳は2000冊を用意しようとしているが、財源が問題。製薬会社などの協力が必要とのこと。

アメリカ・イギリス(COG)で長期フォローアップガイドラインが作成されている。

小児がん経験者が大人になったあとのフォローが問題。
例えば、がん検診などでも通常より詳しくする必要がある。
世界的にもフォローができていない。


質問①
晩期障害:心理的・社会的にとはどういう意味ですか

①の回答
大事な時期に治療が行われるため、院内学級だけでは補えない、コミュニケーション、社会性、一般知識が不足する。


質問②
ウィルムス腫瘍を一歳半で発症、現在29歳。
肺にも転移したりが無事に成長した。
2年前に母の肝臓を移植したりしている。
結婚したが遺伝子に異常があると言われた。
妊娠して子どもを産めますか。

②の回答
子どもはちゃんと生まれてくるが、危険な場合があるので出産時要注意。
事前に担当医師に必ず説明し、対策を検討してもらうこと。



本日のお話
1.小児がん経験者の長期的な問題
2.リスクコミュニケーション
3.晩期合併症リスクの考え方
4.長期的ケアに必要なツール(長期FU委員会)
 ・治療サマリー/健康手帳
 ・長期FUガイドライン
5.移行の問題―成人期に備える
6.今後の課題―就労困難者への支援

小児がんの特徴

◆5年生存率は70%~80%を超えるようになった。

◆小児がん治療は成人よりも一般に強力であり、集学的(手術、放射線療法、化学療法の3者を併用)に行われ、移植対象例もまれではない。

◆成人とは異なり、治療後40年~60年の予後が期待される。

◆小児がん自体およびその治療により、治療中だけでなく、長期生存者への生命予後、合併症、QOLや社会心理学的な悪影響が懸念される。

5年生存割合の向上

グラフ
 各病気の生存率が表示されていました。

治療後に遅れて出てくる合併症
「Late Effects:晩期合併症」

○小児がんの治療を終了して、治療したとみられる経験者の中に、小児がんの治療の直接的または間接的な影響によって生じたと考えられる合併症がみられることがあり、これを「晩期合併症(長期的影響)」と呼ぶ。

○晩期合併症の多くは、抗がん剤の種類と総投与量、放射線の照射部位と総量、手術等に関係するため、治療担当医は治療の効果や再発リスク、晩期合併症への影響などを天秤にかけながら、慎重に治療を進めるが、まだ分からないことが多いのが現状である。


次回記事へ続きます。