受診結果報告書 T病院 Y医師


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診断名 1.急性骨髄性白血病


診療内容及び経過


ご紹介ありがとうございました。

お父様のみの受診でしたが、以下のような説明を行いました。


FAB分類の中でもM0,M6は結果的に移植になる例が多く、特にM0は再発後の移植成績は不良で、初回寛解期での移植が望ましい場合が多い。

本例ではFCMで寛解導入療法後の腫瘍細胞残存が認められ、1~2%という数字は高々1/100での減少なので、残存腫瘍量としては決して少ないとは言えない。

FCMでの治療反応性の予後因子としての有用性は治療強度にも依存するのでまだ決定的とはいえないものの、少なくとも中間リスクまでに相当するかは疑問である。

つまりハイリスクに準じて治療するとなれば、第1寛解期での移植が原則となる。

AML99でハイリスクに分類された例は、初回寛解で移植されていれば長期生存しているが、再発後に救済された例はほとんどない。


非血縁骨髄と臍帯血のどちらでもドナー候補は十分検索されるが、私個人としてはやはり生着不全の少ない骨髄を(プロトコールに反することなく、時間的余裕があれば)選択する。

最近ではGVHDが直接死因になることは少なく、移植後の失敗原因でもっとも多いのはやはり白血病の再発である。

臍帯血はGVHDが少ないとされているが、それ以外の免疫反応による合併症がもんだいになることもある。

どちらが再発が少ないかとかを議論するのはあまり意味がなく、いつ移植をするかの方が重要である。


前処置は年齢からTBIは論外で、ブスルファンかRISTということになる。

当科の例では4歳まででブスルファンを使った例で月経を確認しており、他院では年少時の移植例での出産もあったと聞いているので、性腺機能が根絶するかどうかはわからない。

ただし、肝VODなどの合併症が出やすい年齢なので、1CRならRISTを考える。

当科での移植後のキメリズムの解析では顆粒球系は100%ドナータイプになりやすいので、AMLはRISTの対象になりうると考えている。

QOLは大部分の症例ではほとんど問題にならず、RISTを用いた場合の本例で可能性が残るとすれば、万が一慢性GVHDが重症化かつ遷延すれば低身長や歯牙形成不全なども起こる可能性はある。


1時間30分くらい話しましたが、少し個性的な方だったので、うまく伝わったか心配しています。

治療がスムーズに進んで、ご家族と先生方の御苦労が早く解消されますようにお祈りもうしあげます。


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