日曜日の初耳学 11月20日放送分 インタビュアー林修 戸田恵梨香
今回の『インタビュアー林修』のゲストは戸田恵梨香さん。現在34歳。
芸能界に入ったきっかけ。NG集の番組を観て「この仕事してる人たち楽しそうだね」と家族に言ったことだそうです。小学校高学年の時。NG集での役者たちの楽しそうな様子を見た時に「うらやましい」と思ったとか。その後、両親がオーディションに応募。最初は大阪の事務所だったんですよね。僕が戸田さんを知ったのが今の事務所に移籍するかしないかの頃でした。
16歳で上京。中卒。父が仕事1本でやれる子と判断し、そういうことになったようです。「30歳を過ぎた今考えるとその決断はよかったと思います」と恵梨香さんは話していました。「お芝居のことをよく考えられましたし、学校があったら逃げちゃってたと思う」と。良くも悪くも自分と向き合う時間しかなかったから今があるのかなと思うそうです。
女優として最初の頃は監督が言う指示の意味合いがわからないこともあったそう。「早くしゃべって」と言われても早口言葉になってしまい、まくしたてることができず。父に弱音を吐いた時に「恵梨香を食べさせてあげられる余裕ぐらいはあるからいつでも帰ってきたらいいから」と言われて、もし帰ったら自分が自分に負けると思い仕事に対してのやる気がそれまで以上にわいたそうです。
ドラマ作品の裏話など。まず林先生も注目していた2006年の『ギャルサー』。確かに今これくらいはじけた作品少ないですよね。『ギャルサー』は有り得ない設定ながらも丁寧に作られていたこともありかなり面白い作品だったなと思います。恵梨香ちゃんの役の蹴りも話題になりましたね。少林寺拳法経験者だけあっていい蹴りで。アクションも多い作品でしたね。
『ギャルサー』はかなりの過密スケジュールで、『デスノート』や『天国は待ってくれる』といった映画2本の時期ともかぶっていたようです。当時の記憶はほぼないと言っていました。
2008年『コード・ブルー』。同世代が多く、ライバル視もお互いにしていてみんなプレッシャーなどと戦っていたそう。自分がある程度お芝居を成立させないと(業界から)消えるというくらいの危機感があったとか。7年後の続編での再集結の時は、そういうものから解き放たれて自分っていうのをそれぞれが認めていて人としても役者としての余裕もそれぞれが感じられて人としてのパワーアップもそれぞれが凄い感じたと話していました。その時に頑張ってきてよかったなと思ったそうです。この人たちがいれば私も頑張れると。作品が連続で続いてたら気付けなかったと思うと話していました。
2010年『SPEC』。それまでは与えられた役をただやるという感覚がどこかにあって、自分の個性がわからないというじぶんの中での迷走期だったそうです。自分とかけ離れてるイメージがついているのも苦しんでいたよう。『SPEC』で自分の頭脳で考えて表現するという経験ができたおかげで、自分の役者としての長所と短所がわかって自分がどういう人間だというのを少しずつ理解でき始めたと話していました。それもあって、クランクアップの時に「ようやく自分が飛ぶことが出来ました」と言ったそうです。
堤監督のコメント。あらゆる要求に120%以上で応えてくると恵梨香ちゃんについて話していました。戦友レベルまで関係値が上り詰めている存在だと。劇中の餃子は堤監督の母親のレシピだそう。プレーンで作ってウスターソースとマスタードで食べるという餃子だったみたいですね。ずっとそれが普通の食べ方と思っていたようです。戸田さんが劇中で食べた後に自分が食べてみたら凄く辛くてまずいと思ったみたいですね(笑)。
「何にでも全力で当たってるのはホントに分かる。これは私もプロなんで役にきちんと入ってですね仕事されてるのがホントにありありとひしひしと感じるし。もうホントに100人・・・100通りの役を演じたとしても彼女が持っている何かこうくすぶっている炎みたいなものをやはりそれでもなおかつ感じるんですね。彼女の持つ何か本当の表現・・・もしかしたらそれはまだ彼女が身体表現として出来ないようなことなのかもしれないけど、でもあの人なら突破できる力があるんですよね。それが役者の持つマジックですよね。まあ天才じゃないですかこの人はっていう風には思いましたよね。」と堤監督は恵梨香ちゃんのことを評していました。堤監督の世界験を体験して毎日楽しくてしょうがなかったと恵梨香さんは話していましたね。
2018年『大恋愛~僕を忘れる君と~』。ムロツヨシさんと芝居の方向性について話をして、いかに自然にできるかというのを挑戦しようということにしたそうです。恵梨香ちゃんは憑依型ではなく”これだったら多分成立する”と腑に落ちるイメージができてからそれを練習し、現場に入って感情を初めて乗せるという方法で演技をやってるとか。『大恋愛』に関しては自分自身と役の境目が分からなくなるような入り方を初めてしたそうです。
泣くシーンだと、涙を流すべきかどうかや涙のタイミングを考えながらやってたり泣けるかどうかの緊張があったりするそうですが、『大恋愛』ではそういう計算が全くできなかったとか。そういうシーンになると自然に涙が出ていたそうです。それまでは役を生きた役に生かされたという役者の方の言葉が理解できなかったそうですが、『大恋愛』でその感覚が理解できたと話していました。『大恋愛』を撮ってたカメラマンに「ドキュメンタリー撮ってるみたいだったよ」と言われて嬉しかったそうです。役を生きた感覚になったのは『大恋愛』以外は今のところないとか。
2022年映画『母性』。『大恋愛』とかとは逆で頭脳でしか芝居してないそうです。筋が通ってなくて筋を通せない感じの役どころで、どれだけ考えても理屈がわからない難役だったそう。映画を観た人の感想で「自分の母親を見てるようだった」というのがあって、リアルにそういう人いるんだとようやく気付いたようです。自身も実家に帰省するたびに衝撃の事実を知らされることがあって、「親って信用できないかもしれない」と思ったことがあったとか。人に話せないレベルのものばかりだったそうで。
家族。6歳の時に震災を経験。被災した時に父親が覆いかぶさって、倒れたタンスから母と恵梨香さんと生後数か月の妹を守ってくれてたそうです。恵梨香ちゃんが気付いた時には。その姿を覚えていて、私も家族を守っていかなきゃというのが知らないうちに芽生えていたそうです。
結婚してその背負っていたものが楽になったと話していました。家族に対しての向き合いも楽にしていいんだなというのと、共有・共感してくれる人がいるという安心感を感じたようです。もう1人で頑張らなくていいんだと。何気ない普通の幸せというのも感じるようになったそう。
日本の芸能界は年と共に(出演)本数が減っていくというのでそういう危機感ももっていて、老後が心配なようです。
僕が戸田恵梨香さんに興味持ったのは2004年の『放課後。』(他に堀北真希、徳永えりなどそうそうたる面々の深夜ドラマ)と2005年の『野ブタ。をプロデュース』と2005年の岩井俊二監督監修のラジオのラジオドラマ『ひまわり』(阪神大震災がテーマ、野球少女の役)でしたね。その頃から全力でやってる印象がありました。難しい役もいっぱいあったのにそれを全部理屈で演じてたというのが凄いなと今回話を聴いてて思いましたね。特に『SPEC』の当麻を理屈で演じてるのが凄いというか。演技もどんどん進化していて、今後も楽しみな存在ですね。