おかえりモネ 第24週(最終週)『あなたが思う未来へ』 | YN's STYLE

おかえりモネ 第24週(最終週)『あなたが思う未来へ』

最終週。

 

116話。冒頭で第23週で菅波が言った「19対5」の説明が。百音の24年間を比率で分けたもの。「そんなことで揺らぐほど自信がないわけじゃない」という菅波の言葉がよかったですね。

 

「残念ながら僕らはお互いの問題ではなく全くの不可抗力で突然大事な人を失ってしまう可能性をゼロにはできません。未来に対して僕らは無力です。でもだからせめて今目の前にいるその人を最大限大事にするほかに恐怖に立ち向かうすべはない。」という菅波の言葉。大事な考え方ですよね。いつ何が起こるかわからないのはみんな同じで。

 

未知と亮。亮は俺だから(みーちゃんの苦しみを)感じてやれる、(みーちゃんが)抱えてるもんわかんなくても想像できる、だから「心の底から笑えるようにしてやれんの・・・多分俺しかいない」という考えに行きついたようです。

 

「いつか笑えるようにしてやる。」と亮が言うシーンで涙しました。

 

117話。永浦家に挨拶に行く百音と菅波。共有してない物の多さ(島の雰囲気も含めて)に圧倒される菅波。未知からの報告を受けて泣く百音を菅波が支える様子を、亜哉子と耕治が見守ってるシーンよかったですね。

 

2020年1月14日。呼吸器専門の医師として中村先生に呼ばれる菅波。あの感染症の影。

 

「百音さんは時々大切な人と離れるのをとても怖がります。でも僕のことは離れていても大丈夫だと思ってるようです。割と最初の頃から。だから百音さんがこれからの人生を共に生きるのは僕のような人間が最適なんじゃないかと思います。」という菅波の言葉。こういうことを亜哉子に言えるところが菅波らしいですよね。いろいろつっこみどころもある言葉で。最初から思ってたのかとか言い切る感じとか(笑)。

 

118話。菅波の後ろ姿がスローモーションに。この後ああなるからなんだろうなと今起こってる現実と重ねられる部分ですね。恐らくしばらく会えないんだろうと。医療従事者だから特に。

 

水野が久しぶりに市民プラザに。百音のやり取りが良かったですね。百音のまた会えて嬉しいという言葉に救われたようです。水野はどういう顔で来ればいいのかと気にしていたよう。

 

宮田があの時演奏した『ダニー・ボーイ』を流す百音。「一度何かを諦めたりまたやってみたり。みんなそういうのでいいんだなって。」という百音の言葉。自分のペースでいいから少しずつ前に進めればいいんですよね。

 

未知の傷の大元が判明。それはあの時、雅代を置いて逃げてしまった事でした。「おばあちゃんが動いてくれなかった。」というところまでは今までも出ていましたね。

 

119話。ここで子供時代の百音と未知の関係が判明。サヤカの話と回想を通じて描かれました。このシーンを見て、この作品では子供時代を先に描かなかったのが正解だったのかなと思いました。未知の傷が判明するこのタイミングで出したのが絶妙だなと。ここを計算して子供時代を最初に描かなかっただとしたら素晴らしいなと思いました。

 

”モネ”の由来。未知が百音とお姉ちゃんをくっつけて言った結果”モネ”になったとサヤカが話していました。サヤカは小さい頃の2人も結構知ってるんだなと思いましたね。百音に「サヤカさんのようになりたい」と言われたのを嬉しそうに話すサヤカの姿が微笑ましかったです。小さい頃から百音と未知は凄く仲良かったんですね。

 

浜に未知を連れ出し、気持ちに寄り添う百音。未知の全てを受け止めようとする百音の姿がよかったですね。「みーちゃんは悪くない。」と言い続けると。しっかりお姉ちゃんやってるなという風にも思いました。

 

その後のナレーションもよかったです。「みーちゃん、モネ。忘れないって大事だけど苦しい。だから時々忘れて笑ってね。」と。

 

莉子が百音の企画の取材を。その後の談笑のシーンもよかったですね。

 

未知の合格祝い。「合格おめでとう」の字は宇田川(劇中では触れず)。幼馴染が集合。未知が満面の笑みで百音を見ているのがよかったです。その笑顔に涙しました。そして百音がついにサックスケースの封印を解きました。百音が閉じていた最後の心の傷。

 

120話(最終話)。ケースの中には2011年の卒業コンサートのチラシも。最初はそのコンサートのことがよぎって開けられなかった百音は、その傷が癒えてくる中で、無力と思っていた自分に戻る怖さを感じて開けられなかったよう。

 

「どうだった?」と低めのトーンで言う明日美の感じが何かよかったですね。ここぞという時の明日美のギャップに”刺さる”ところがあるというか。「戻ってたまるかって思ったよ。」という百音が力強く返したのもよかったですね。

 

「おかえり。」という未知の言葉に涙腺が緩みましたね。そして亮の「おかえりモネ。」。この2人で言うのがよかったです。その後、みんなで輪になって手を隣りでつないでいるシーンでも涙しました。

 

久々に吹く百音。久々で上手く吹けないのはリアルですよね。

 

2020年2月。亮の船の進水式。亮の姿を見たら胸をなでおろして泣いてしまうんじゃないかと行かなかった耕治。まだ泣きたくないというのは耕治の意地でもあるのでしょう。本当にちゃんと成果が出てからというのもあるんでしょうかね。

 

数年後。菅波と2年半ぶりに再会する百音。セリフから収束後(終息後?)って感じですね。ハグを迷う感じもそうなのかなと。医療従事者ですからね。「先生本当にお疲れ様でした。」という百音の言葉もいいなと。

 

最後、(実家にいる亜哉子の塾の?まだ民宿はやってない感じなんですかね)子供たちの声が聞こえたから雨が降るのではと予測する百音。百音は耳がいいんですよね。序盤の話でありましたが。

 

手をつなぎ笑いあったり見つめ合ったりする2人が微笑ましかったですね。最後は握った手のアップで終わりました。

 

みんなが笑顔で終わった最終回、よかったです。

 

『おかえりモネ』、終わりました。『透明なゆりかご』でも清原果耶主演作品の脚本を書いた安達奈緒子さんの脚本。安達さんらしい心情描写がしっかりした作品でした。丁寧に描いていて、ナレーションの先読み感もなく見やすかったです。セリフでの過度な説明もなく、視聴者が”見て感じられる”素晴らしい作品でしたね。出演者全員の演技も素晴らしかったです。

 

朝ドラ、ヒロインの仕事が後半にかけてクローズアップされなくなったりもしますが今回は最後まで”気象”をしっかり描いていたのもよかったなと。

 

主演の清原果耶さんの自然体な演技が作品をしっかり支えていたというのもありますよね。全ての演技がリアルでした。震災と感染症という難しいテーマ(特に震災)をしっかり描き切ったのもよかったと思います。

 

また、ここをもうちょっと描いてほしいなというのがほぼなく、あってほしいシーンはほぼ全て描かれていたのも満足感が上がってる感じですよね。本当に素晴らしい作品でした。宇田川の姿が最後まで出ませんでしたが、それはそれでいいかなと思いましたね。絵と文字の存在感が強かった宇田川さんでした。節目節目で出てきてよかったなと。