「かえろっか」
そういうと少し恥ずかしげに頷いた
あの言葉が愛おしくて、何を返事するわけでもなく
無意識にキスをしてしましった
「あ~、、ゆうちゃんとのファーストキス、、、
無意識にしてしまったものはしょうがない、、か、、、」
少し自分の行動にショックを受けるが
あの言葉をいうゆうちゃんを思い出せば、
たぶん二度目もキスをしてしまうだろう。
少し気まずい空気、でも居心地の悪くにない空気、
今までよりずっと甘い空気。
なぁ「ゆうちゃん、昔からずっと、、大人になったゆうちゃんも、大好きです」
ゆうちゃんはうっすら目に涙を、そして勢いよく私の胸に飛び込んできた。
ゆう「ごめんねなぁちゃん、わたしも大好きだよ」
高校生のゆうちゃんの姿がちらついていたが、今は大人になったんだと我に返る。
何分間か、お互いぎゅっと抱きしめて、今の幸せを噛み締めていると
廊下から足をがし、咄嗟に離れた。
『あ、いたいた、そろそろ先生たちも帰るから』
なぁ「あ、はい!すみません、長居しちゃって、、、」
『いいんだよ、またおいで』
昔と変わらずゆったりとした口調で話すかつて担任であった先生。
隣を見るとゆうちゃんは少し笑ってて
ゆう「見られちゃうところだったね?」
あぶないあぶないと小声で息を整えている
ゆう「じゃぁ帰ろっか」
自然にゆうちゃんから手を繋がれて、
思わず表情筋が崩れた
ゆう「うわっ、なぁちゃんニヤけすぎ!」
なぁ「うわってなに!?ひどくない!?」
さっきまでの空間が笑いによって包まれた
この教室にくるのは、もしかしたらもうないのかもしれないし、
また原点に戻ってくるかもしれない。
でもまた戻ってきたいし、そのときもゆうちゃんと来たい。
ふと外をみると、さっきまでちらついたあの二人の姿はなく
それどころか、真っ赤な色の世界が美しく見えた
「夏が終わるね」