私は飛鳥が好きだ。
だから、あの時勝手に身体が動いたんだ。
目が覚めた時の君の表情はとても辛そうで
壊れてしまいそうで…
そう…私が意地を張って飛鳥を遠ざけてた
時みたいに…。
もうとっくに分かってたんだ。
飛鳥は何も悪くないんだって。
なのに何でだろうな…変に意地を張って
突っぱねてた。
遠目で飛鳥の姿を見ていつしか
触れたい…そう思うようになってた。
全力で自分の仕事を全うしてる姿に…
私達を必要以上に問題を起こさないように
裏で動いていてくれてたことに…
そして皆に優しく微笑んでる姿に。
いつしか惚れてしまってたんだ。
そんな君は泣きそうな目で
私を見つめている。
ごめんね、不器用な慰めしか出来なくて。
「じゃあ、またな。
クッキーありがとう」
「あっ……はい!」
退院翌日、寝坊したぴっぴを置いて1人で
学校へ向かい玄関ロビーで特進科の
後輩数人が話しかけてきてその内の
1人からクッキーを貰った。
食べないのも失礼だしと思って一つ
その場で食べた。
普通に話のわかる子で良かった。
「ねぇ!何で置いてったの!」
ぴっぴがホームルームが始まる
ギリギリの時間に息を切らして
教室へ入ってきた
「いや…おばさんがまだ寝てるって…
先学校行っていいって言われたし」
「お母さんめ……」
「寝坊する愛佳が悪い」
「ゔっ…りしゃが辛辣…」
ホームルームも終わり一限目の準備に
取り掛かろうとしていると
「4限目、特進科の人達と体育合同だって!」
「へぇ…」
「てち少しは興味持とうよ」
「ぴっぴは何でそんなに嬉しそうなんだよ」
「だってだって!
飛鳥と未央奈のクラスと合同だから!」
「へぇ…」
「おい!」
どうやら商業科の体育を担当してる
教師が出張で居ないらしくその間は
特進の担当が私達クラスも請け負うことに
なるそうだ。
ワァワァ喚いてるぴっぴを無視して
取り敢えず1限目の準備をした
「よし、じゃあ2組揃ったね」
ついに迎えた4限目
体育教師の若月先生が今日することの
説明を始めた
どうやらバスケを今日はするらしい
「じゃあチームに別れて試合を始めてね」
しっかり各々ストレッチはするんだぞー
と付け足して若月先生は点数板に立った
言わずもがなチームはいつもの
メンバーだ。
ぴっぴ、理佐、美愉、オダナナ、
そして私の5人。
対する相手チームはと言うと
風紀委員で固めてきたか…。
「じゃあ試合始まるよー」
ジャンプボールは相手は梅澤、
そしてこっちからは理佐が行く事となった
運良くこっちにボールが渡り
ぴっぴからパスが渡った
うわ、久し振りにバスケボール持った…
しかもここ数週間身体をあまり
動かしてなかったから鈍ってるな。
いきなりハード過ぎんだろ。
まず最初に私の進行を阻んだのは桜井
そいつをドリブルで交わし、
シュートを打とうとしたその時
目の前に飛鳥が立ちはだかり、
すぐにシフトチェンジし
美愉へパスをした。
「やるね、飛鳥」
「……まぁ…ね」
「⁇⁇」
気のせいか…?
どこかぎこちない気がする。
元々敵対(勝手に周りがそう言ってただけ)
してた私達と風紀委員の試合は他の
クラスメイトも気になるのか練習
そっちのけで試合を見ていた
結果は僅差で私達が勝ち、
その次に試合をしたチームにも勝ち。
チーム戦は私たちが一位で
飛鳥達のチームが二位となった。
取り敢えず久し振りに体を動かしたからか
凄い汗をかいてしまった
「ごめん…先教室戻ってて」
ぴっぴ達は心配してくれたが昼休みを
無駄にするのは申し訳ないから
半ば強引に教室へ戻らせた
取り敢えず校舎と体育館を繋げる
渡り廊下の端の段差に腰をかける
「ふぅ……」
「友梨奈…⁇」
横を向くと体育館の出入り口に
飛鳥が立っていた