最近私には気になる子が出来た




名前は小坂菜緒
新学期に転入してきた面白い子だ。



悪い噂しかない私達に臆することなく
接してくれる君にいつのまにか
興味を持ってしまった。




「菜緒ちゃん」



中庭で本を読んでる君を見掛けて
勿論私は声を掛けた



「あ、理佐…どうしたの?」


「んー、菜緒ちゃんを見掛けたから
声を掛けただけだよ?
特に用はないんだけど、ダメだったかな?」



「んーん、ダメじゃないよ!」



「良かった、放課後だからここも
静かだね」



「そうだね、だから今の時間帯の中庭
結構好きなんだ」



「でも、ここって風紀委員室から
丸見えだよね」



「確かに、全然気にしてなかった」



「ふふっ…あの子が見たらどう思うんだろ」


「え?」


「んーん、何でもないよ?
ここ居たらゆっくり読めないよね。
私はこの辺で失礼しようかな」


「全然気にしなくていいのに…」


少し眉を下げて口角を上げてそう言う君は
本当に優しい子なんだね。




「またゆっくり話そう、
菜緒ちゃんの顔が見れてよかったよ。
またね?」


「あ,うん!またね!」







校門へと足を進めてる渡り廊下で

「あっ」


「あ、芽依ちゃん奇遇だね」


「うん,理佐さんは⁇」



「今から帰るところだよ」


「私は忘れ物しちゃって…」


困ったように笑うこの子はきっと
本人が知らないうちにモテてるのだろうな。

「そっか…一緒に帰る?」


「え?」


「あ、嫌だったかな?」


「全然!じゃあちょっと待ってて!
すぐ取りに行ってくるね」


「ゆっくりでいいよ」


申し訳ないからと颯爽と教室へ
忘れ物を取りに消えていった




「あの子も不思議な子だ…最初から
私達を怖がる素振りを見せずに
普通に接してくれるな…」



しかもずっとニコニコしてて
何を考えてるのか分からない子。


目が離せない。