「はぁ……何で菜緒はブラック達と
仲良くしてるの……」



私の名前は渡邉美穂
神坂女学園高等学校に通う
ごく普通の高校生。


新学期スタートと共に転入してきた
新しい友達、菜緒は私が毛嫌いする
通称ブラックプリンスと呼ばれる
商業科の異様に顔が整ってる
5人組と仲良くしてる様子を
見ていて凄くすごーーーーく不満だ。




「まぁまぁ…いいじゃない…
友達が増えるのって嬉しいでしょ?」

そんな私の様子を見兼ねた
私の大親友のめいめいは落ち着くように
諭してきた

「私は心配なの…菜緒があの人達のせいで
危ないことに巻き込まれないか!」



「んー……美穂ちゃんが思ってるより
あの人達は良い人かもよ?」



「なんで、めいめいまであの野蛮な人達の
味方をするの…」



「味方というか…んー、やっぱ噂と
表面上だけで決めつけるのは良くない
よなぁ…って思ったの」



ゔっ………それはそうだけど…





でも……でもでも!!!





「やっぱり私は飛鳥さん派…」




「あー…始まった…」






そう私の憧れの存在

齋藤飛鳥が属す風紀委員。
通称ホワイトプリンス!!!!
5人のあの眩しい輝きと言ったら!
特に委員長を務める齋藤飛鳥さんは
もう学園中の憧れの的と言っても
過言ではない!




「はぁ……私もあんな人に
生まれてたらな〜…」



「何の話してるの?」



図書室から戻ってきた菜緒が
きっと、うっとりした顔を
浮かべているであろう私を見て
首をコテンと傾けた


菜緒は今日も可愛いなぁ……


「いや〜飛鳥さんみたいな人に
生まれたかったな〜って」



「美穂ちゃんはそのままで充分だよ?
美穂ちゃんには美穂ちゃんにしかない
魅力が沢山あるんだから」



そうやって優しく微笑む菜緒は
女神のようだ


「そうだよ、美穂ちゃん。
美穂ちゃんはそのままで充分
可愛いし素敵だよ?」

いつものニコニコした顔を崩さず
菜緒に同調してくれためいめいは
天使みたいだ。



「2人とも………
女神で天使…」



ポカンとした顔を浮かべた2人は
顔を見合わせて大袈裟だよと笑った。















「ふぁ〜……眠ーい!
てちー構ってー」

5限目が終わった後の休み時間
地獄の数学の授業が終わり
頑張って起きてた私は偉いと思う。

「今忙しい」



「絶対うそ!!
暇そうに窓の外見てたじゃん!」



「外を眺めるのに忙しい」



「ブーブー!けちんぼー!」


「はいはい、なんとでも言え」



「うぅ…りっちゃーん!」



「あ、ごめん飲み物買ってくる」


「えー!私も行くー!」


「しょうがないなぁ…」



りっちゃんは何だかんだ優しいんだから!






自動販売機で何を買おうか迷っていると
聞いたことある声が耳に入ってきた




「ゲッ…」


「あ!モナちゃん!理佐!!」


「こんにちは」


1人は明らかに嫌そうな顔を見せ
1人は対照的に笑顔で話しかけてくれて
1人は穏やかに挨拶をしてきた


「3人も飲み物買いに来たの?」



「うん!モナちゃんは何買うの?」



「んー、迷ってるんだー」


「かれこれ1分ぐらいこの自販機と
睨めっこしてるんだよね愛佳」


「そんな呆れたように言わないでよー」


「早く選びなよ」


「りっちゃん冷たい…」


「本当は置いて行ってもいい所を
待ってあげてるんだからその言い方は
ないんじゃない?」


「うぅ…りっちゃんのバカー!
小坂ちゃん慰めてー!」


「ふふっ…よしよし」


小坂ちゃんの優しい撫で撫でが
急に無くなったかと思ったら
険しい顔をした美穂ちゃんと
目があった



「菜緒早く飲み物買って戻ろう」



「え、う、うん…」



美穂ちゃんは私達に対して凄く
当たりが強い


だから、小坂ちゃんと仲良くしてるのが
気に食わないんだろう…



話すようになって結構経ったんだけどな…
まだ警戒されてるのか…。