もしもモノプリの世界線で平手友梨奈と
齋藤飛鳥がカップルになったら。
匿名希望さんリクエスト。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ねるさんの一件からのわだかまりが無くなり
しばらく経った頃



私、齋藤飛鳥は七瀬さんに果物ナイフを
向けられている
※本編を読んだら分かるよ!



「七瀬さん…⁇」



「何でや、飛鳥…何で振り向いてくれんのや」



「飛鳥っ!!!」



「あしゅ!」



思わぬ出来事に混乱していると七瀬さんの
背後から友梨奈達が焦った表情で
向かってきてるのが見えた



「チッ…もう嗅ぎつけたか」



「おい、西野七瀬…飛鳥から離れろ」


友梨奈にそう告げられた七瀬さんは
振り向き友梨奈達を嘲笑いながら


「そんなあっさり離れると思うか…⁇」



「っ…いい加減にしろ」



その場にいる全員が凍り付くような
今までにない程の低い声が辺りに響いた


もちろんその声は友梨奈のだ



「そんなんでビビるか」

「じゃあ飛鳥
私の元へ来いひんのならさよならや」



クルッと私の方へ向き直し私にナイフを
強く持ち小走りで向かってくる



衝撃に備え目を瞑ると痛みが一向に
やってこない



「…⁇⁇………えっ?」



目を開けると目の前には友梨奈の後ろ姿
そして……



「てち!!!!!」


愛佳の叫び声でハッと我に返り
足元を見ると赤い血が滴り落ちている



「友梨奈!!」


「ッ!!くそっ」


ドンっと七瀬さんを押した友梨奈
力なく尻をついた七瀬さんは血に染まった
自分の手を見て呆然としていた


「ッテェ…」


ゆっくり片膝をついた友梨奈に私は
すぐに横に着いた


「友梨奈っ…!?
嘘……刺されて…」



「…大丈夫…先が少し刺さっただけだ…」



と言いながらも痛みで顔を歪めてる



「てち!!今理佐が先生を
呼びに行ったから!」



「ッ…フゥ…ありがとう…ピッピ」


「取り敢えず血を抑えないと!
これハンカチ!」


「…ありがと未央奈」



ハンカチを受け取り傷口を抑えながら
友梨奈はゆっくり立ち上がり
まだ呆然としている七瀬さんの元へ
向かった



「そんなはずじゃ…いや…私は……
刺すつもりじゃ…」



「おい…」


「違う……私は…脅かすつもりで…」




「おい!!!西野七瀬!!」



「!?!?」


パニックになり始めている七瀬さんの
頬を叩き片腕で抱き締める友梨奈に
その場に居た全員が驚きを隠さないでいた



「飛鳥のこと本気で好きだったんだな」



「あ、当たり前や…だって……
私だって飛鳥を守ることぐらい…」



「そうだな……でも…このやり方は違う」



「っ……分かってる……」



「もっと違う方法で……ッ…
振り向いてもらえるようにあんたなら
出来たはずだ…」


痛みに耐えながらも抱き締める
手を緩めない友梨奈


「違う…分かってたんや……
私には最初から勝ち目ないって…」



「…一途なあんたならきっと幸せになれる」


「っ……ごめっ…なさいっ…!!」


泣きながら友梨奈の背中に手を回した
七瀬さん

それと同時に友梨奈は七瀬さんの肩に
力なく顔を埋めた


「⁇⁇平手…⁇…平手!!!」



埋めたかと思ったが、友梨奈はどうやら
気を失ってしまったらしい

「てち!?」



「友梨奈っ!!!」



愛佳と私の問いにも答えない友梨奈に
周りも焦り始めた



丁度先生達がやってきてあっという間に
友梨奈は病院へと運ばれていった








「友梨奈……」



次の日病室のベッドで横になっている
友梨奈は目を覚まさない

内臓に傷は奇跡的に付かなかったけど
結構深く刺さってしまっていたらしく
完全に塞がるまでに結構時間が必要らしい



手をギュッと握ってみるけど
その手は握り返されない。






私は友梨奈が好き。
いつからかな…多分小学生の頃から
ずっと…。


友梨奈がねるさんに家族ではない瞳を
向けていたのに気付くのにそんな時間は
掛からなかった。

それでも好きだった。
誰にでも分け隔てなく接して困ってる人を
率先して助けるその姿に私は惹かれたんだ。


ねるさんが居なくなってしまった後
それまで笑顔をたくさん浮かべてた
友梨奈は全く笑わなくなり

お姉ちゃんだけでなく私とも距離を置かれ
話すのも会うのも拒絶された



どんなに辛かったか…

でも…友梨奈はもっと辛かったんだもんね。


だからこの前久し振りに友梨奈の
柔らかい笑顔を見た時すごく嬉しかった

許してもらえなくても友梨奈は私に
微笑みかけてくれて

掲示板に張り出されたビラも誰よりも
早く剥がしてくれて
友梨奈なりに励ましてくれた。
犯人探しまでしてくれて…。


それに…私を守って代わりに……





「友梨奈…ごめんね…結局私は
友梨奈に守られてばかり…」



「もう…やっぱり離れた方がいいのかも」








「また弱音吐いてる…」


「っ?!」



薄らと目を開けた友梨奈は私の手を
握り返しながら


「守るに決まってんでしょ…」



「友梨奈…目覚ましたんだ…!!」



「飛鳥に手握られた辺りから
目覚ましてたよ…」


力なく言う友梨奈の顔はまだ少し
痛むのか顔を歪めていた








part2は続く