「お化け屋敷いこうよ!」


モナちゃんが指差した方向にはお化け屋敷
の建物が…お化け屋敷ちょっと
苦手なんだよね…。

「菜緒,お化け屋敷苦手か?」

「え?何で分かったの」

「顔,強張ってた」

「ちょっと苦手だけどみんなが
入るなら大丈夫」

「あまり無理すんなよ?」

「大丈夫だよ、皆楽しんでる時に
何か悪いし、私も楽しいから!」

「そっか…」



「ねぇねぇ!1組ずつペアで行かない?」

「愛佳1人で行ったら〜⁇」

「りっちゃんそれは酷い!」

「私もそれ楽しそうだから賛成」

「おー!芽依ちゃん!流石だね!」

「んー、まぁめいめいがそう言うなら
仕方ないか…」

「美穂ちゃんもノリがいいね!」

「別に志田さんの為じゃないんだけど」

「相変わらず冷たい!」

「どうやってペア決めするの?」

「りっちゃんよくぞ聞いてくれました!
ジャンケンで決めよ!小坂ちゃんたち
3人でジャンケンして貰っていい?
そんで私達3人もジャンケンして
順に勝った人同士でペアになる!」

美穂ちゃんと芽依ちゃんと私は
軽く円になりジャンケンをすると
最初に勝ったのは私で
2番目に勝ったのは芽依ちゃん最後に
残ったのは美穂ちゃんという順番になった。


向こうはというと最初に勝ったのは
モナちゃんで2番目に理佐最後は友梨奈


ということは…私とペアなのは
モナちゃんか…。


何だろう?友梨奈じゃないんだと
思ってしまった…こんなの
モナちゃんに対して失礼過ぎるよね…。


そして最初に私とモナちゃんが中に入る。





「うわ、暗いね〜」

「そうだね…」

「大丈夫⁇怖くなったら服でも
腕でも掴んでいいからね?」

「うん、ありがとう…早速だけど
腕掴んでていい?」

「あはっ…うんいいよ」

モナちゃんの腕を申し訳程度に掴む
私の歩幅に合わせてくれている
モナちゃんの優しさに甘えて
取り敢えず,怖くない怖くないと
心で念じる。

でもやっぱり怖いものは怖い…。

驚きっぱなしでモナちゃんの腕を
強く握ってしまっていた。


「ご、ごめん…腕痛かったよね?」


お化け屋敷を出てすぐにモナちゃんに
謝るとモナちゃんは笑顔で
大丈夫だよ!と答えてくれた

「それよりもさ…ペアが私でごめんね?」

「えっ」

一瞬ドキッとした,それは
トキメキとかそういう類のものではなくて
何だか悪いことをしてバレてしまった時の
それと同じようなもの。


「いや…てちが良かったのかな〜?
なんて思っちゃってさ!
勘違いだったらごめんね?」

「な、んでモナちゃんが謝るの?」

「んー、何でだろう?
何となくかな?」

「モナちゃん」

「私さ、好きな人が居たんだ、
というより今も現在進行形なんだけど」

「うん…」

「でも、ずっと私の片思い、
小学生の頃から想ってるんだけど
その人は違う人を見ていた」

「………それって」

「ふふ……そう、てちだよ」

「……」

「てちはね、自分では気付いてなかった
かもしれないけれどねるさんに
家族以上の想いを抱いていた、
ずっと見てたんだからすぐに分かったよ、
だから…ねるさんが居なくなってからも
私はてちの傍を離れなかった,
私の想いは届かなくていいから
どうか少しでもてちの心の傷が
癒えるようにそう願いながら」

「……」

「それでね?あしゅとの関係も今では
いい方向に向かって,てちの心も
穏やかになってるのは誰のお陰かも
すぐに分かっちゃった」

「モナちゃんのお陰じゃないの?」


モナちゃんは少し瞼を伏せて首を左右に
振った。

「残念ながら…違う」

「でも」

「小坂ちゃん……てちの心の傷を
癒してくれてありがとう」

「モナちゃん,それは違っ「怖かった〜」」

「あはは!芽依ちゃん結構怖がり屋さん
なんだね!」

「理佐さんも一緒に脅かしてくるから…
って,どうしたの?菜緒ちゃん⁇」

「小坂ちゃんも怖がっててさ
私の腕を強く握ってたくらいなんだよね!
それで今もまだ怖いみたい」

「そうなの?菜緒ちゃんも
怖がり屋さんだ」

「う、うんそうだね」

笑顔な芽依ちゃんの問いに弱々しく頷く。


モナちゃんのさっきの表情が
しばらく頭から離れなかった、
あの,なんとも言えない切ない
笑みを浮かべたモナちゃんの顔を…。