西野先生が帰ってからすぐにある人に
電話した。


『もしもし』


「もしもし、母さん」


『……ちゃんと決心ついたようね』


「うん、やっぱり男性として生きる
事に決めた。」


『本当にそれで良いの?後悔はない?』


「無い。」


『そう……強くなったね…友梨奈…
それならお母さんから言う事は無いわ。』



「あと、母さん…頼みがあるんだ…」

















母さんとの電話を切ってしばらくすると
玄関のドアが開く音がした。



「やっほー!戻ってきましたー!」


「…おかえり…」


「え、…」


「え…⁇」


「え、今何と?」


「だから、おかえりって…」


「え、ちょっと!熱あるの?
それとも明日台風⁈」


「何だよ」


「いや、だっていつもなら溜め息吐くか
帰れ。だの,なんで居るの。だの
一言文句言うのに…」


「別に…どうせまた戻ってくるん
だろうなって思ってたし。
それに話したい事あったから」


そう言うと姉ちゃんは真剣な眼差しで
ウチを見つめた

「やっぱり…。そう言うことか」


「まだ何も言ってないんだけど?」


「何となく分かってたのー!
西野ちゃんから大体の話を聞いてさ…








日本出るつもりでしょ?」



「…うん、」


「やっぱりね…そっか…
西野ちゃんには話さないの?」


「…話さないよ、誰にも」


「どうして?」


「しんみりしたままアメリカには
行きたくない。」


「でも、急に居なくなったら
西野ちゃんだけじゃなくて
友梨奈の周りにいる子達だって
びっくりするんじゃない?」


「…先生から事情は誤魔化しながら
みんなに話してもらうよ」


「んー…そっか.友梨奈が決めたことなら
仕方ないね」


「うん、ありがとう。姉ちゃん」


「ん?良いってことよー!
私達家族でしょー!?」


姉ちゃんはくしゃくしゃっと
ウチの頭を撫でて笑った。







明日、学校終わりに病院に行こう。