しばらくしてお酒も無くなり
いい時間になった頃

今は…





「お風呂ありがとう」

「いえ」

「何から何までごめんね」

「大丈夫ですよ」

「あ、今度お礼させて?」

「そんな,本当にいいですよ」

「私がしたいの!七瀬ちゃん好きな
食べ物って何?」

「う…」

「う?」

「うどん…」

「うどん⁇」

「はい…」

「じゃ私美味しいうどん屋さん
知ってるから時間ある時教えて?」

「分かりました!」

「ふふ…やっぱり七瀬ちゃん可愛い」

「なっ…何ですか急に」

「んーん、何か妹ができた感じ!」

「い、妹…⁇」

「うん!そろそろ寝ようか?」

「そうですね…衛藤先生はベッドで
寝てください」

「え、七瀬ちゃんはどこで寝るの?」

「ソファーで寝ます」

「えー!逆でしょ!私がソファーで
寝るよ⁇」

「お客さんをソファーで寝かすなんて
できません!」

「んー……よし!じゃあ一緒に寝よう!」

「はい!⁇」

「ということで…よいしょ…
はい!おいで!」

「いや…おいでって…それ私のベッド…」

「うん、だから、おいで⁇」

またそんなビー玉みたいな瞳で見られても…

「分かりましたよ…」


もぞもぞと衛藤先生の隣に入る

「七瀬ちゃんの匂いに包まれてる〜」

「……まだ酔ってます?」

「えー?そんな酔ってないよ?」

「そうですか…」

「ねぇねぇ、そんな端っこに居ると
落ちちゃうよ?」

「大丈夫です」

「背中まで向けられると…私寂しいなぁ?」

「やっぱ酔ってますよね」

「あ、やっとこっち向いてくれた!
こんな近くで見てもやっぱり可愛い」

「…どうも…」

「あら、何か呆れてる?」

「少し…」

「あらら…眠たそうだしお喋りは
ここまでにしとこうかな」

「そうして下さい」

「ふふ…お休み七瀬ちゃん」

そう言って衛藤先生に頭を撫でられ
不覚にも気持ちよくなってすぐ
夢の世界に入った。


「ふふ…可愛いな…本当に」

衛藤先生が妖艶に笑っているとも知らずに









「ん、んー…ん!⁇」

びっくりした…起きて目を開けたら
目の前に衛藤先生のお顔が…

今何時だろ…って
何でこんながっちりホールドされてるの?

身動き取れない…。

部屋が少し明るいということは
確実に朝は迎えているわけで…。

「んー……」

私がもぞもぞ動いていたせいか
衛藤先生がどうやら目を覚ましそうだ

「衛藤先生…?」

「ん…?…おはよ…七瀬ちゃん」

「あの…」

「寝起きの七瀬ちゃんも可愛い…」

「いや、あの…」

「ん?」

「腕離してくれませんか?」

「えー!まだいいじゃーん!」

「そんな…困ります…」

「あー!その顔も好き!」

「え〜…」

「ごめんごめん…目覚めから七瀬ちゃん
の寝起き顔見れるなんてついてるわ〜」

「……じゃあ、朝食作ってきますんで」

やっと衛藤先生の腕から逃れられ
ベッドから出て朝食の準備をしようと
立ち上がる

「え、昨日作って貰ったし朝ごはんは
私が作るよ⁇」

「でも…」

「沢山迷惑かけちゃったし、これぐらい
させて⁇ね?」

「じゃあ…お願いします」

「うん!じゃあ少し冷蔵庫のものと
キッチン借りまーす」

うーん!と背伸びをしてキッチンに
立った衛藤先生を目で追ったあと
顔を洗いに洗面所に向かった




「出来たよ〜」

しばらくして朝のニュースを
ボーッと眺めながら待っていると
どうやら出来上がったみたい


「わぁ…美味しそう」

「ふふ…ありがとう、それじゃ
食べよっか!」

机に並べられた朝食は普段怠けて
朝食を食べている私とは無縁の
フレンチ?⁇って言うのかなとにかく
お洒落な朝食だった


「頂きます!」

うわ、なにこれ、美味しっ!

「美味しいです!」

「そう?それなら良かった」

とニコッと微笑んで衛藤先生も
黙々と朝食を食べ始めた


すごいなぁ…こんなに綺麗で、
ちょっぴりエロ…(ゴホン。
料理も上手なんて将来の旦那さんも
幸せ者だなぁ…。

「あ、そういえば、衛藤先生って
彼氏さんっているんですか?」

「あら、かなりぶっ飛んだ話を
振ってきたのね」

「すみません…つい気になって」

「居ない」

「え、…そうなんですか!⁇
綺麗なのに…料理も美味しくて…」

「ふふ…男なんて見た目だけ良ければ
ヒョヒョイと寄ってたかって…
あんたらはハエか!って突っ込みたく
なるわ、全く…」

な、何があったんだろ…。
深くは聞かないでおこう。

「そ、そうなんですね…大変でしたね」

「でも、七瀬ちゃんが褒めてくれて
嬉しかったよありがとう」

「い、いえ」

「そういう七瀬ちゃんは?」

「居ないです!!」

「えー!絶対ほっとかないわ、こんな
可愛い子を…」

「それは…多分衛藤先生だけかと…」

「じゃあ…好きな人は?」

「好きな人…っ…」

あれ、何で平手さんの顔が出てきたんだろ。

「もしかして…居るの?」

「えっ!⁇い、居ません!」

「怪しい…」

「ほ、本当に居ないですから!」

「そっか〜…好きな人できたら
いつでも相談乗るから任せて?」

そう言ってまた怪しく笑ったあと
ウィンクを残して空っぽになった
食器を片しに席を立った。






何でさっき…平手さんが…。



モヤモヤしたまま私も食器を下げるために
席を立った。