何が起こったん…
何で…何でまいやんは
倒れてるん…?血流れとるん?

何で…何で…呼んでも目を開けて
くれないん?

「まいやん?…ねぇ!まいやん!」

「あ、あの!取り敢えず救急車を!」

たまたま近くにいたサラリーマン
の人とそしてまいやんを
轢いたトラックの運転手
が救急車と警察を呼び
主婦の若い女の人は
ななを落ち着かせるように
背中を撫で続けてくれた

「貴方は白石麻衣さんのご友人ですか」

救急車とパトカーが来て
すぐにまいやんは病院に運ばれ
その後警察の人に事情聴取を受けた

「そうです」

事情聴取も終えまいやんが
運ばれた病院へ急ぐ

「まいやん!」

「七瀬…」

「麻衣ちゃん、今手術中や…」

ななみんにまっつん、それから
まいやんのお母さんとななの
お母さんが手術室の前で
まいやんが出てくるのを待っていた

「ななのせいや…ななのせいで
まいやんは…!まいやんのお母さん
ごめんなさい…謝っても
許されないことは分かってます!
だけど…謝らせて下さい!」

「七瀬ちゃん、これは七瀬ちゃん
のせいじゃないのよ?だから
そんなに自分を責めないで?
ほら!うちの子って身体だけが
丈夫だから!」

「でも…」

「七瀬ちゃん、それにね麻衣ちゃんは
きっと七瀬ちゃんを守りたかった
だけだと思うの」

私に七瀬を守らせてくれないかな?
何かあった時には私が必ず七瀬を
助けるからー


あの日のまいやんの言葉を思い出し
ななは、あの頃から、
んーん,ずっとその前から
まいやんのことを想っていたんだ

「七瀬ちゃん?…涙…」

「え、あ、…ごめなさっ…」

「七瀬…はい」

ななみんがそっとハンカチを
差し出してくれた

「ありがとう、ななみん…」

どうしよう…拭いても拭いても
涙が収まらない

「七瀬は多分,気が動転して
しまってるんよ…うちからも
ごめんな…白石さん…」

「いや!本当に七瀬ちゃんは
悪くないです!」

「確かに七瀬も被害者側
なのかもしれへんけど…」

「本当に大丈夫ですから…
七瀬ちゃん、大丈夫⁇」

「ごめんなさい、大丈夫です…」

「なぁちゃん!こっちおいで!」

まっつんの腕の中に包まれ
人の温もりを感じ少し
安心し涙が収まった

「まっつん…もう大丈夫
ありがとう」

「全然!麻衣ちゃんのお母さんが
言う通り麻衣ちゃんは身体が
丈夫だからきっと大丈夫や!」

「そうやな…」





しばらくすると手術室のドアが開き
先生が出てきた


「あの、麻衣ちゃんは…」

「貴方がお母様ですか?」

「はい」

「命に別状はありません、
ですが…意識が戻るかどうかは
まだ今の段階では…」

「そんな…麻衣ちゃん…」

「我々も全力を尽くしますので
まだ諦めないで下さい。
後は、麻衣さん本人の
頑張り次第です。意識を
取り戻すかどうかは…」

それでは。と言い先生は
その場を去った


あとを追うように
まいやんも病室に運ばれ
なな達は、頭や体に包帯を
巻かれたまいやんを見て
呆然と立ち尽くしていた


「まいやん…ごめんなぁ…
ななのせいで…っ…こんな…
まいやん…目覚ましてや…!
まいやん!!!!」

「七瀬!落ち着いて!」

「なぁちゃん!」

ななみんとまっつんに
抱き抱えられながらななは
またしても大声で泣き叫んだ














「ん……ここ…」

「あ、起きた?」

「ななみん…ここ」

「あー、仮眠室」

「仮眠室⁇」

「あの後七瀬泣き叫んで
それから倒れたんだよ?
看護師さんが言うには気が動転して
状況についていけずに
パニックになって眠ってる
だけだって言ってた」

「そうなんや」

「看護師さん達がわざわざ
貸してくれたの仮眠室」

「あとで,お礼言わな…」

「うん、それと七瀬のお母さんと
しーちゃんのお母さんは
しーちゃんの病室にいる
さゆりんは用事があるから
帰っちゃったけど」

「ななみんは帰らんでいいん?」

「うん、ウチは親帰り朝方だから」

「そっか…ごめんな…付いてもらって」

「いいよ、付いてないとしーちゃん
に怒られそうだし」

ななみんは少し微笑みななの
頭を優しく撫でる

「ななみん…あんな…気持ち
伝えられへんかった…」

「うん」

「伝えようとしたら、急に背中押されて
振り返った時にはまいやん
血だらけで倒れてて…」

「うん、怖かったね」

「まいやん、本当にななのこと
守ってくれたんや…」

「そうだね」

「だから、次はななの番
まいやんが意識早く取り戻すように
毎日まいやんの所に行って
いつも通り話す!
そんで…大好きやって
伝える…」

「うん、私も毎日は行けるか
分からないけどなるべく
行くようにするよ
さゆりんもほっとけないだろうし」

「ありがとう、ななみん
まっつんにも明日お礼
言わな」

「うん、そろそろ私は帰るけど
七瀬はどうする?」

「ななはもう少しまいやんの
所おる」

「そっか…それじゃあまた明日ね」

「気を付けてな」

ななみんを見送ったあと仮眠室を出て
まいやんの病室へ向かった




「あ、七瀬…もう大丈夫なんか?」

「うん」

「七瀬ちゃん、今日はもう
帰った方が良いんじゃないかな?」

「そやな…七瀬帰れるか⁇」

「うん、まいやんのお母さん
また明日来てもいいですか?」

「もちろんよ!麻衣ちゃんも
きっと喜ぶわ!」

「ありがとうございます、
そしてお騒がせしてすみません
でした!」

「気にしないで!それじゃあ
今日はゆっくり休んで⁇」

「はい」

「ほな、帰ろか、白石さん
また来るな?」

「はい、帰りはお気を付けて
くださいね?今日は
ありがとうございました」

「いやいやこちらこそ
それじゃ」

お母さんと家に帰り
ベッドに潜り、まいやんのこと
を想いながら眠りについた