「どう?綺麗?」
「うん、すっごく綺麗だよ」
「へへっ…ひいちゃんに言われると
人一倍嬉しい」
「またまた…」
「本当だもん!」
そう頬を膨らませる君は
あの頃と変わらなかった
ー数年前ー
「ひいちゃん!帰ろー!」
教室の入り口から窓際の私の席まで
届く大きな声で言うのは言わずもがな
「わかったから!シーッ!!」
そう慌て返すと、不満気に頬を膨らませて
私が教室から出るのを待っている保乃
教室にいるみんなはいつもの光景なので
気にせず過ごしてる
「ごめん、お待たせ」
「うん…」
「もう…なーにいじけてるの?」
「だって〜」
「はいはい…ごめんって」
「そうやってまた適当に!」
「はい、これあげるから落ち着いて」
「わぁー!保乃の好きなチョコやー!」
無邪気に笑うその顔を見るのが
私の生きがい
まぁ口が裂けても言えないけど
「もうすぐ卒業だね~」
「…そうだね」
「ひいちゃんは福岡に行くんだよね?」
「うん…じいちゃんばあちゃんの家に
お世話になりながら大学通うよ」
「そっか〜ご両親の地元だもんね…
寂しいね…」
「保乃は保育系の専門だったよね?」
「そうそう!保乃に出来るかなぁ?
ピアノとか苦戦しそう!!」
「大丈夫だよ、保乃にぴったりな道だと思う」
「ひいちゃんにそう言って貰えると
人一倍自信がつく!」
そう言って笑う保乃は
先ほどと打って変わって綺麗だ…
ずるいよね、普段は可愛いのに
ふとした瞬間に綺麗になるんだもん。
そんな保乃から目が離せなくなったのは
入学式の日、桜の木を見上げてたあの日から
ずっと変わらない
そう…一目惚れってやつだった…。
「ひいちゃん……卒業して離れても
保乃たち友達だよね?」
「……うん、友達だよ」
良かった!って安心したかのように
笑いかける君の顔が今は憎い
「言えるわけないじゃん…」
「ん?何か言った?」
「んーん!何も!」
ーーーーーーーー
あの時、気持ちを伝えていたら何かが
変わっていたのだろうか…
今君の隣に立っていたのは
その人じゃなく、私だったのだろうか…
純白のドレスを纏った君は皮肉なことに
凄く凄く綺麗で儚くて…
その微笑みを独り占め出来るあの人が
羨ましい。
なんて…気持ちを伝えなかった私が
悪いのにね…。
「幸せになってね、保乃」
目に溜まっていた水を流さないように
空を見上げた
fin.
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ちょっと自分と重ねちゃって書いてて
泣きそうになっちゃったっていうのは内緒🤫
遅くなりましたが、
明けましておめでとうございます!
←本当に今更
みなさまのご健康とご多幸をお祈りしつつ
私自身も、幸せな年にしてみせます!