あれから飛鳥や友梨奈達から連絡は
来ず遠くから見かける程度になっていた



自分から距離を置くように突き放しといて
寂しいだなんて自分勝手だよね。



学校に着くと正面玄関前の掲示板に
群がる生徒たちが目に入り
私の存在に気付いた生徒達から
嫌な視線を送られる

私が前に歩くと避けるように
道を開けそこから見えた貼り紙の
内容に血の気が去る感覚に陥った


[普通科2年A組小◯菜緒は
見た目に反し色目を使って
人を弄んでる悪女!!]


これ小坂さんのことだよね?

多分そうだと思う

本当なのかな?

様々なヒソヒソ声が聞こえる中
私はその場から動けずにその貼り紙を
眺めていた




「やーっぱりあんたって
軽い女なんだね」

「サイッテー」

後ろから声をあげたのは
数日前に私を屋上に呼び出した先輩3人組

「これ……貴方達が…⁇」

「はぁ!⁇何言ってんの!
うわぁ、自分が変な噂を立てられるから
って私達を疑うとかありえないん
ですけど〜!!」


「違っ!」


「何これ〜!!見てよ!久美!」

「……くっだらない」

「もう!!誰だぁ⁇小坂ちゃんのこと
こんな風に言う奴は!って
………まぁ大体予想はついてるんだけどね」


急に現れた史帆さんと久美さん
史帆さんはおちゃらけた表情から
一変して険しい顔を浮かべて
3人の先輩を睨むように見つめる
久美さんも無表情のまま



「な、何よ…」

「これ…やったの君達だよね?」

「知らないわよ!」

「へぇ、ま〜だシラを切るの〜⁇」

「思ったんだけどさー
そこにある監視カメラで確認しちゃえば
いいんじゃない⁇」

女の子にしては低い声が聞こえて
向くと小柄で首からヘッドホンを
下げた人が眠そうに欠伸を交えながら
監視カメラの方を指差して言う


「おー!きょんこいつの間にいたの!?」

「最初から居たわ、カトシ」

「そう、京子が言うように監視カメラを
見れば犯人がわかる、その前に
白状した方が身のためだと思うな」

「ッ……勝手にすれば!⁇」

リーダー格の先輩がそう吐き捨てると
2人を連れてその場を去った


「はぁ……ほんっとに…
ごめんね、小坂ちゃん」

眉を下げて困ったように笑みを浮かべる
久美さん

「いえ…」


「ねぇ〜!みんなもこの内容信じるの〜⁈」

史帆さんはさっきまで私のことを
軽蔑したように見ていた人達に向かって
そう問いかけると皆バツが悪そうに
早足で校舎へ入っていった

「取り敢えずこれ剥がすか」

「あ、あの…」

「ん?」

「あなたは⁇」

「あー、齊藤京子この2人と
同じクラスでラーメンが大好きだ」

「ラーメン大好き齊藤京子さん…」

「何だその覚え方…」

「ぶっ!!ラーメン大好き齊藤京子…」

「カトシ,お前…」

「ごめんってばー!」

「はいはい、2人とも剥がすの手伝って」

「分かってるよ」

「はーい!」



「何これ!!」


「ッ!?……美穂ちゃん⁇」

「これ誰がやったの!?」

「えっと…落ち着いて…」

「もしかして……先輩達ですか!⁇」

「違う!その先輩達は助けてくれたの」

「美穂ちゃん、落ち着こう?
取り敢えずこれ私達も剥がすの
手伝おうよ」

「めいめい…そうだね」




それからすぐに
剥がし終わると美穂ちゃんは
先輩達に頭を下げた

「いいんだよー!気にしないで〜」

「それよりも友達の為にあんな風に
怒れるのは素晴らしいことだよ」

「うんうん持つべきものは友達って
やつだな」

「先輩方……」

「よかったね、美穂ちゃん」

「めいめい…」

「小坂ちゃん…もしまたこんなことが
あったら構わずに私達に言って欲しい」

「…でも」

「私達あまり知られてないけど
生徒会のメンバーだから」

「えっ!⁇」

「あー!!!生徒会長の佐々木久美さんと
副会長の加藤史帆さんに書記の齊藤京子さん
ですか!⁇」

「おー!名前を知ってるとは!
えっと誰だっけ⁇美穂ちゃん⁇」

「はい!渡邉美穂です!
カトシさん!」

「生徒会は風紀委員とは違って
あまり表舞台には立たないから
同学年とか何かしらの委員に入ってる人や
私達の存在を知ってるのが限られてるの」

「そうだったんですね」

「主に風紀委員の裏方みたいな
感じだもんな〜私達の名前は一応知ってるよ
って人は居るんだけどな、
普通は生徒会がすべき事を風紀委員が
しちゃってるし」

「きょんこはなぜかラーメンオタク
って呼ばれてるけどね〜」

「はぁ!?誰がそんなこと」

「生徒会だよりでラーメンのことばっか
書いてるから…」

「ササクまで…」



こうして思わぬ人達に助けられて
一瞬の悪い出来事は終わりを告げたけど
また新たな悪い影が迫ってるとも知らずに
私は目の前の生徒会メンバーのやり取りを
笑って見ていた