映画「幻滅」野心と劣等感を大いに刺激する魔都 | 私の5 室は映画館・映画レビュー

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劇場公開 2023年4月14日 149分


幻滅・主役

オノレ・ド・バルザックの

「幻滅 ― メディア戦記」の映画化で



本作は、ナポレオン没落後の

19世紀フランスが舞台のお話です



仏中西部の地方都市、アングレームより

幻想を膨らませ、パリへやって来たのは



田舎では天才詩人のリシュアン⬇しかし、パリでは世間知らずで貧乏な、青二才です





簡単あらすじ




詩人として成功を夢見る青年(右⬇)



田舎から上京し、パリで暮らすうち

息をのむほど魅力なパリで

当初の目的を忘れて





欲と、虚飾と、快楽にまみれ

一時成功したかのように見えたものの





出版関係者や社交界の面々が、寄ってたかって、一斉に彼を潰しにかかります


魔都パリで、青年に降り注ぐ栄光と
降りかかる災厄。

自分を見失い
自らの文才を浪費して、堕落していく

喰い物にされた青年の姿を描いた作品



見どころ



田舎から上京した青年リシュアンには、

文学で成功したいという強い野心と

貴族に対するコンプレックスがありました



パリは、若くて幼くて未熟な青年の

野心と劣等感を、大いに刺激する魔都ですが、青年の不相応な夢や、過剰な自意識が招いた自業自得な面も否めない



「幻滅」のタイトルの意味は、青年の魔都パリに対する幻滅なのか、フランス貴族社会に対する幻滅なのか、見極めにくかった



結局パリでは、どこの出身であるかという社会的格差がついてまわり、自分の居場所を確保できなかったように思う