2016.4.28
歎異鈔に「善人なをもて往生をとぐ、いはんや悪人をや」と
あり、悪人こそ最も往生し得るという有名な悪人正機説がある。
かって学んだ仏法に人間は五種類に分れ、その中に有害な悪人
がいると説いている。
悪人とは人間の哀しさである、悪行を働いた者は寿命が尽き
るまでに必ず悪行に対する哀しい見返りを受けている。世間は
それを証明するかのように、悪行の見返りを伝えている。悪人
正機説はそういう哀しい者を救う観方とも思える。
人は誰しも生存面と生活面において、善行を成した者は善行
を受け、悪行を成した者は悪行を受けているに違いない。善人
も悪人も寿命を以って往生という無に帰する。親鸞はそういう
悪人の哀しさを救いたかったのではなかろうか。
悪人は生存と生活に感謝の気持が欠落している為に、悪行を
成し、その為に悪行を受けざるを得ない。悪人とはそんな哀し
さ以外の何ものでもない。こう考えることは宗教心というより
単に人間関係の勉強と受けとめたい。