2016.2.24
過去が現在に、現在が未来がつながっている。その当然の事
が分っているようで分っていない。なおもっと分っていない事
は一瞬に過ぎない人生の本質であろう。
歳を重ねて現在の中に過去を眺める時、やっとその一瞬性を
感じることが出来る。そんな一瞬の人生に何を問うのかと自問
したくなる実感がある。
人生は一瞬だから貴重に過ごすことだと考えても、それは頭
だけで意識してない。人生は意識出来ないほど一瞬にぎてゆく、
ここでまたバッハが死を憧憬した観方を眺めさせられる。
バッハは必然の死を、一瞬の人生の貴重な在り方として受け
とめ、その一瞬の人生に充たされた家庭や子供があり、その力
で成し得た仕事の在り方からではなかろうか。
バッハには所謂バッハ語録というものが無い。それはバッハ
の家庭と、類いまれない仕事の在り方から伝わってくる、理窟
抜きにバッハの音楽を聴くことだけである。