2016.1.16
宮本輝の小説に次のような表現があり、時に反省させられる。
「人間は何のために生れてきたのか、彼はそれを即答し、かつ
断言した。自分と縁する人たちに喜びや幸福をもたらすために
生れてきたと」
自分は久しく日々の生活で、バッハの音楽を聴くことが生き
甲斐と受けとめている。そこにバッハが縁する人たちにもたら
した喜びと幸福であることに気付く。私も時間や場所の隔たり
があろうとバッハに縁する一人に違いない。
最近、人類の理念ということを考えた。こういう人間の生き
る目的こそ、人類の理念につながるだろう。世に多くの識者が
少なくない、具体的で普遍的な人類の目的・指針・施策を構築
出来る指導者が現れる時節が来るだろうか。
家訓の第3項「学芸を以って性を養うべし」とある、日々に
バッハの音楽に性を養う思いがあり、そこに充実と安心を受け
とめる。縁があってこうしてバッハを受けとめることが出来た
ことが嬉しく思える。