2015.4.10
先日、朝日新聞に掲載された、法隆寺参道の桜花の写真が妙に
気にいり切り抜いてある。写真の記事に「心静かに 私だけの眺め」
とある次の構図が好ましい。
古い建物の瓦屋根が見える淡茶色の土塀を背に、見頃に咲いた
桜の樹が三本並んでいる。その向って右側の樹の下に、目立たず
に若い母親と幼児らの姿が小さく写っている。
背景の落着いた屋根瓦と土塀の色に、枝振りの良い桜花がよく
似合っている。そこに小さく愛らしい親子の姿を配した構図が心に
くい、カメラマンには出会いの風景であろう。
こういう希望を感じる平和な風景には、バッハの音楽を添えてみ
たくなる。画面は明るさを抑えた静かな景色なので、ゆったりと弾く
ゴルトベルク第21変奏Canone alla Scttimaはどうかと独りごちる。