息子の通院で大泉学園の皮膚科にきた
診察まで二時間くらい待つので
時間を潰すために西武線に乗る
大泉学園駅から小手指駅まで各駅停車で往復するだけだ
息子は電車が好きだから乗っている間はおとなしいから助かる



西武線沿線の家々を車窓から眺めると
もし東京で結婚したらこんなところに住んでいたんだろうなと思う
子どもはいなかったかもしれない
いてもひとり

田舎にいると物価は安く暮らしやすいが
面白みはない
目立たないように目立たないように生きて
いつしか面白みのない人畜無害な人間になるのだろう

業田良家の漫画「自虐の詩」のなかで
田舎で浮いている女の子に
あんたみたいなひとは東京でしかしあわせになれない、みたいなことをいう場面があって
覚えている

ちょっと毛色の違う人間や
メジャーな考えができない人間は
田舎では息苦しい

そういえばわたしも
田舎が息苦しく上京したのだった

都会の生活に疲れ
今はまた田舎に戻ってしまったが