義母は膵臓癌の診断を受け

遺志を書き記していた

まさにチラシの裏に

 

死とは無である

延命治療は不要

一度家に帰りたい

葬儀は火葬のみの直葬とする

香典不要

親族のみで執り行うこと

特に来て欲しい親族(姪と甥)の名前

用意した紋付を着せて棺に入れてほしい

依頼する葬儀屋の住所と連絡先

納骨する霊園(郊外の霊園の予約をやめ、近くの霊園へ申込み済)

葬儀代に遺したお金を使ってみんなで楽しく食事でもして欲しい

死んだ人のためでなく生きている人を優先にお金は使うように

 

さらに

義母義父それぞれ加入している保険の詳細

健康保険、年金、マイナンバーなど役所、税金関連の番号一覧

などが書き記され

窓口の電話番号なども書いてあり

すべてをクリップで留め

いつでも見られるところにひもで吊り下げられていた

 

自宅療養中の比較的元気な時に

ここに全部書いてあるから

と家族みんなに知らされていた

 

 

転移と余命宣告がなされてから

叔母は葬儀屋と前もって連絡し

亡くなったら改めて連絡を入れることになっていた

(葬儀屋は通常24時間受付)

納骨場所に関しては、ダンナと弟が事前に確認した

 

亡くなった直後

病院には遺体安置室がなく

エンゼルケア後、早々の移送を要請されたため

早速葬儀屋に連絡をいれ、移送と預かりを依頼する

 

遺体を預かってくださることになった別の葬儀社にて

葬儀の希望場所と日時、火葬後の会食の場の予約などを依頼して帰宅

自宅で関係各所への連絡やお金の準備などToDoリストを作成

仮眠をとった後、各方面へ連絡を入れまくる(ダンナが)

 

 

ただし、声をかける親族も少ないので

亡くなった日だけ休みを取ったが

翌日からは普段通り出勤した

 

 

葬儀当日

施設で暮らす義父用の礼服を前もって届けて置き

施設と斎場を往復する車を手配しておいた

当日は当初の集合時間より前に

予定の親族が全員揃う

義父は懐かしさで涙ぐんでいた

 

 

親族集合

棺を開け最後のお別れ

火葬・お焚き上げ

炉前読経

火葬完了

お骨拾い

会食

義父の迎えの車を見送り

親族も解散

お骨とお位牌をもって一度実家へ帰宅

お寺へ納骨

 

 

おかげさまで滞りなく進捗し

無事、見送ることができました

 

 

義母の書いたメモのような遺志は

会食の際、親族皆さんに見てもらいました

いつかは自分の番がくるのはわかっているものの

ついつい後回しにしがちな自分の死と死後のこと

具合が悪い中、これだけ準備した義母に尊敬の念を抱きます

自分も見習いたいと思いました