大飯再稼働決定 「原発あっての町」 おおい町、経済回復に期待感 


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120616-00000125-san-soci


 16日午前、再稼働が正式決定された関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)。昨年3月の東京電力福島第1原発事故後、初となる原発再稼働に地元では「やっと日常に戻る」「地元経済の回復につながる」などと歓迎ムードが広がった。一方で、具体的な安全対策はこれからの課題となっていることから、事故に対する不安の声も出た。

 「議論に時間はかかったが、再稼働は町にとって重要な一歩」。おおい町の自営業の男性(54)は再稼働を歓迎する。その上で、「百パーセント安全なものなどない。それを待っていたら確実に私たちの生活はつぶれる」とし、原発停止で冷え込んだ地元経済が回復することへの期待感をにじませた。

 人口約8千人で、その約6割が原発関連産業に従事する同町。原発の停止で従業員30人未満の孫請け会社などが軒並み、廃業や休業を強いられてきた。

 同町の主婦(35)は「原発あってのこの町。賛否両論あるが、地元経済のためにもリスクを負いながらも動かさなければならない」と話した。

 また、原発作業員が利用する民宿はどこも空っぽに近く、看板を下ろす店舗も出始めている。

 「原発の再開で仕事のめどがたち、いつもの状態に戻ることができそうだ」。民宿経営の男性もほっとした表情を浮かべた。

 ただ、津波対策のための防潮堤のかさ上げ工事や免震事務棟の整備など中長期の安全対策はこれからで、住民の間には不安も残る。

 おおい町の隣の同県小浜市に住む主婦(62)は「家族とは『原発で何かあったらこの家は手放さないといけない』とよく話している。どこに逃げたらいいのかも分からない」と複雑な胸の内を明かす。

 おおい町の中塚寛議員(52)は「われわれにとって、原発が稼働しようがしまいが、核燃料を保管する発電所があるという意味ではリスクは変わらない」とし、引き続き安全性の向上に取り組んでいく考えを強調した。

 ■「国の判断待つ」 愛媛県知事

 関西電力大飯原発3、4号機の再稼働決定を受け、四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)のある同県の中村時広知事は16日、コメントを発表。「重大な判断だった」と評価しつつ、伊方原発の再稼働については「国の判断を待つ」と従来通りの姿勢を示した。伊方町の山下和彦町長も同日、大飯原発以外の再稼働に対する環境は変わっていないとして、「伊方原発の再稼働については現段階では白紙」とコメントした。

 ■「状況精査したい」 島根県知事

 島根原発を抱える島根県の溝口善兵衛知事は16日、「福井県はおおい町や県議会、周辺自治体などの意見を聞く努力をして(再稼働を)決められた」と話し、運転がストップした島根原発1、2号機の再稼働については「福井県に職員を派遣して(再稼働に至った)経緯を聞き、状況を精査したい」と述べるにとどまった。