もうすぐよ待っていてねと言うように下向く桜は雨をこぼして
こんにちは!
いかがお過ごしでしょうか?
図書館の帰り道、桜を見るため公園に入りました。
それで思ったのですが、桜って、下を向いて咲きますか?
雨が降っていたからでしょうか?
それとも、散る時期が来たからでしょうか?
下を向いて咲いているように感じました。
もしかして、土の中では、モグラやミミズたちが花見の準備をしていたりして。
時々地面から顔を出して、花びらがもっと落ちてこないかなあと、つぶやいていたりして。
モグラやミミズたちの花見は人間たちとちょっと違っていて、土の合間合間に花びらを埋め込んで、土そのものをピンクにすることから始まっていたりして。
そして視力の弱いモグラたちは酔いしれるのです。
「今年の桜は、今までにないくらい甘い香りだねえ」
とか言い合って。
それが楽しみで、
「まだかな、まだかな」
と、つぶやいていたりして。
それを知っている桜は、空から呼びかけます。
「もうちょっとだけ待っていてね。あの緑の屋根のおうちに住むおじいさんが、まだ花見をしていないから。毎年見に来ては、しわくちゃのお手てで私たちをなでてくれるの。それをしてもらってから散りたいの」
そうやって、雨の滴をぽたぽたと落としているのだったりして。