宇宙人との結婚式 | めむたんの絵本

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めむたんは、Amazonで絵本を電子出版しています。
タイトルは、「きみといっしょに」、「あのもんのなかに」等です。

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こんにちは!
いかがお過ごしでしょうか?

今回のレッスンの課題は、ぜったいにできないと思うことをお話にする、というものでした。
私は既婚者なので、宇宙人と結婚式を挙げることはできません。
だから、そのことをお話にしてみました。
良かったら、読んでみてください♪

宇宙人との結婚式

 ウエディングドレス姿の私は、参列者たちに大声で頼んだ。
「皆さんお願いです。アートが風に飛ばされました。彼を探してください!」
 私の結婚相手は、アートという名の宇宙人。
アートは朝5時から夕方5時までをゴマ粒サイズで過ごし、夕方5時から朝5時までを大人サイズで過ごす。星の法律で決められているからだ。
そんな彼と私は出会い、結婚したいと願うまでに愛し合った。
 地球の結婚式場は教会。全ての窓を開け放している会場には、春の香りが満ちている。
式は3時から始まり、滞りなく終わるはずだった。
ところが、誓いを終えてあとはキスをするだけとなったとき、アートが突風に飛ばされてしまった。
アートを探さなきゃ!
 私は床に四つん這いになり、参列者たちと一緒にアートを探した。
 椅子の下は?いない。花の中は?いない。服の中は?いない。
 ああ、アート、どこに行ったの?
「これだけ探してもいないってことは……。」
「風にのってどこかに行ってしまったのでは……。」
「やっぱり、宇宙人との結婚は……。」
参列者たちが、ひそひそひそひそ。
私は、かばっと立ち上がって叫んだ。
「私の結婚相手は、アートしかいません!皆さんお願いです、アートを探してください!」
 その時、リンゴーン、リンゴーン。教会の鐘が鳴った。みんなが一斉に鐘の方を見た。
「アート!」
 鐘を鳴らしていたのは、大人サイズのアートだった。
「風に飛ばされたときは、びっくりしたよ。でも、みんな、忘れていない?ボクは5時になれば、大人サイズになるんだよ。」
 壁の時計を見てみると、5時になっていた。皆が安心のため息をつく。それを見て、アートはウインクをした。
 その後、結婚式は再開され、私たちは愛を誓いなおし、そしてキスをした。
 参列者たちが作ったアーチを通り教会を出ると、そのまま宇宙船に乗り込んだ。
今度は、アートの星で結婚式を挙げるために。