こんにちは!
みなさん、いかがお過ごしでしょうか?
1,2年前にコンクールに応募して、選外になったお話です。
ヘタクソですが、読んでもらえたら嬉しいです!
お花にぽぽぽと明かりがついて
あかねちゃんは5才の女の子です。
まっくらな山道を、ひとりでとぼとぼあるいています。
あかねちゃんの目から、涙がぽろぽろながれます。ママとはぐれてしまって、おまけに道にまよって、どうすれないいのか分かりません。
「え~んえ~ん、こわいよぅ。ママァ。」
まっくろい木がざわざわとゆれ、なんだかおばけのようです。右を見ても左を見てもまっくらです。あかねちゃんはこわくて、ブルブルとふるえています。
「え~んえ~ん、おうちにかえりたいよぅ、ママァ。」
歩きつかれたあかねちゃんは、とうとうしゃがみこんでしまいました。
そんなとき、
コツン
何かがあかねちゃんの肩にあたりました。さわってみると、ヒモのようです。
「なんだろう。」
あかねちゃんは、こわいのも忘れて、そのヒモを引っ張ってみました。
すると、
ぽっ。
くらやみの中で、お花に明かりがともりました。分からなかったけれど、木にたくさんの花が咲いていたようです。
「わぁ、きれ~い。」
あかねちゃんは、ほんのすこし、うれしくなりました。
しばらくすると、
コツン
何かが、こんどはあかねちゃんの頭にあたりました。引っ張ってみると、
ぽっ。
こんどは、べつの木のたくさんの実に、明かりがともりました。
「わぁ、おいしそう!」
おなかがすいていたあかねちゃんは、ひとつ食べてみました。
「おいし~い!」
木の実は、モモのようなリンゴのような味がします。あかねちゃんは何個も何個もたべました。
おなかがいっぱいになったら、こんどは足もとのボタンに気が付きました。
押してみると、
ぽっ。
ぽぽぽぽぽぽぽっ。
いろとりどりのたくさんの草花に、いっせいに明かりがともりました。
「わぁ・・・」
あかねちゃんは、うれしくてたまりません。ぱちぱちぱちぱち。
あかねちゃんは、手をたたいておどります。すると、リスが三匹飛び出してきて、まだ押していないボタンをおしえてくれました。押してみると、
ぱぱぱぱぱぱぱっ。
数え切れないほどのリスが出てきました!
リスのみんなはあかねちゃんにおじぎをすると、テンポよくおどりはじめました。あかねちゃんもいっしょにおどります。
気が付けば、あたりはぽかぽかとあかるくて、木も草花もおどっているようです。あかねちゃんも、らんらららんとおどります。
あかねちゃんは楽しくて、こわかったことを、すっかり忘れました。
あかねちゃんはおどります。リスたちのステップに合わせてくるくるまわります。
そんな時、
コツン
何かが、あかねちゃんの手にあたりました。
こんどはなにかな?
引っ張ってみると、
「あかねちゃん!」
ママが月の光にてらされて、立っています。
「ママァ。」
あかねちゃんは、ママの胸に飛び込みました。
うれしくてうれしくて、あかねちゃんの目から涙がながれます。
あかねちゃんは、ママにぎゅうっとぎゅうっとだきしめられました。ママの涙が、あかねちゃんのおでこにあたります。
「あかねちゃん、よかった・・・。本当によかった・・・。ずいぶん探したのよ。」
「ごめんなさい。」
そんな時、
コツン
またまた何かが、あかねちゃんの手にあたりました。ママに抱きしめられたまま、あかねちゃんは、そっと引っ張ってみました。
すると、
ちかちかちかちか。
さっきまで雲にかくれていた星々がつぎつぎとあらわれて、かがやきだしました。
流れ星が、あとからあとからながれます。
ふりかえると、ぽかぽかと光っていた木や草花から明かりはなくなって、リスたちもいなくなっていました。
ただ、月は二人をてらし、星がちかちかとかがやいています。
「かえろうか。」
「うん!」
あかねちゃんは、山にバイバイをすると、ママと手をつないで、おうちへと帰っていきました。