ごめんねと花びら拾う昼下がりもっと早めに来ればよかった
少女は、土手に散ったたくさんの花びらを見て、
「ごめんね。」
と、つぶやきました。
この花びらたちは、いつ散ったのかしら?
散る姿を見た人はいるのかしら?
この間来たときは、あんなに誇らしげに咲いていたのに。
少女は、右の手のひらに花びらを一枚のせました。
「寂しくなかった?」
問いかけてみたけれど、花びらは何も話してくれない。
少女は、たくさんの花びらから一枚を選び、持っていた本にはさみました。
押し花にしよう。
そう思ったのです。