まずは今日笑ってみるの
雲ひとつない青空を広げ立つ地球(ほし)
よく晴れた日の朝、地球は雲たちに言いました。
「ボク、今日は一人でがんばってみようと思うんだ。だから、雲さんたちはお休みしてて。」
雲たちは言いました。
「えー、大丈夫?ボクたちのことは気にしなくていいんんだよ、いつもどおり守ってあげるよ。」
地球は、木をゆさゆさ揺らして言いました。
「ううん、ボクは、いつまでもこわがっていたらいけないんだ。うまくできるかどうかわからないけど、ひとりでやってみるよ。」
今までないしょだったけど、地球はとっても弱虫。
月のうさぎが見えないとか、流れ星が通ったとか、そんなちょっとしたことで、びくっとして、すぐにえんえん泣いてしまうの。
雲たちは、そんな弱虫地球が心配。
だから、なるべく空に浮かんで、ずうっと地球を守ってきたんだ。
地球が泣かなくていいように、もし泣いてしまっても、すぐになぐさめてあげられるように。
でも、今日の地球は、いつもとちょっと違うみたい。
一人でがんばってみるんだって。
雲たちは、
「どうしようかなぁ。本当に大丈夫かなぁ。」
て、だいぶ悩んだよ。
でも、地球が、
「がんばる!」
て言っているんだもんね。
信じなくちゃ!!
雲たちは、今日は空に浮かばないことにしたよ。
見あげてごらん。
今、空には、雲がひとつも浮かんでいないよ。
雲たちは地球を信じてるね。
地球はがんばってるね。
青空が続きますように!!