おもいきり羽ばたけ空に舞い上がれ
君の明日はいつも明るい
高いところがこわくて、空を飛べない鳥がいます。
名前はトベナイノ。
トベナイノはいつも言います。
「お空がこわいの、飛べないの。」
そして、大空を楽しそうに飛ぶ鳥たちを、
「いいな、いいな。」
と見上げています。
そんなある日、トベナイノの親友、トベルノがバサバサッと舞い降りてきて言いました。
「空は高いと思うからいけないんだよ。海だと思ってみたら?海は低いところにあるよ。」
グッドアイデア!
「なるほど。じゃあ、海に行ってくる!」
軽くかんちがいしたトベナイノは、さっそく海に行き、泳いでみました。
でも、ゴボゴボゴボゴボ。
おぼれてしまいました。
すぐそばで見ていた魚、オヨゲルノは言いました。
「鳥はみんな海に浮かぶのかと思っていたよ。君は、浮き輪みたいに浮かべないの?」
グッドアイデア!
またまた軽くかんちがいしたトベナイノは、さっそく浮き輪をつけてみました。
プカプカプカプカ。
おぼれません。
それを見ていたトベルノとオヨゲルノは大喜び!
「なんだかよくわかんないけど、やったね!」
そして1羽と1匹は歌を歌い始めました。
「やったねやったね、トベナイノ。飛べないけれど浮かべたよ♪」
トベナイノの胸に、
「やったるで!」
という気持ちが、炎のように、メラメラとわきあがりました。
浮き輪があるなら勇気100倍!
「ボク、空を飛んでみる!」
そう叫ぶと、羽をバサバサとはばたかせ、浮き輪をつけたまま空に舞い上がりました!
空はどこまでも大きくて、トベナイノはうっとり。
高いところがこわくなくなりました。
今日もトベナイノは空を飛びます。
どんな高いところもへっちゃらです。
浮き輪をつけていれば、ですけどね。
浮き輪をつけて飛ぶトベナイノは、今では超がつくくらいの有名人!
みんなにはウキワトブと呼ばれています。
