うんしょ、えいしょ、もうちょっと！
この子はポクタン。
野原でお花をつんでいます。
そんな時、つんつん、つんつん、ポクタンをつつく子がいます。
見てみると、カモメでした。
カモメは言います。
「ぼく、カモタン。いっしょにあそぼう！」
「うん！」
二人はいっしょにお花のブーケを作りました。
たくさん作ったので、ブーケをどこまで遠く投げられるかの競争をしました。
「ボクの方がたくさん飛んだよ。」
「ううん、ボクだよ。」
「ちがう、ボクだよ！」
いつの間にか、ケンカになってしまいました。
「ポクタンなんて知らない！」
怒ったカモタンはブーケをつかんで、飛びたとうとしました。
「あ、待って！」
ポクタンは夢中でブーケをつかみました。
ふわ、パタパタパタパタ。
気が付けばポクタンは空の中にいました。
さっきまで遊んでいた野原が、ずっと下に見えます。
「うわーあ、すごーい、カモタン。」
「ふふん、楽しいでしょ。」
「うん！」
ケンカしていたことなんて、もうすっかり忘れています。
二人はお空をゆうゆうと飛びます。
途中からカモタンの友達、トモタンもやってきて、ポクタンを背中にのせてくれたりしました。
「そういえば、おもしろいところがあるよ。連れて行ってあげる。」
「うん！」
カモタンとトモタンが連れて行ってくれたところは、空の公園。
すべり台にシーソー、ブランコ、ジャングルジム・・・
いろんな遊具がお空に浮かんでいます。
三人は夢中になって遊んで、そしてポクタンは最後にうんていをしました。
うんていの先にはリンゴやみかん、バナナなど、いろんな種類の実がなる木があります。
名前はいろいろの木と言うそうです。
うんしょ、えいしょ。
「ポクタン、もうちょっとだよ！」
「がんばれ、ポクタン！」
カモタンとトモタンが応援してくれます。
「うんしょ、えいしょ、もうちょっと！」
ポクタンは、バナナが食べたいのです。
そして、カモタンとトモタンにリンゴやみかんを取ってあげようと思っています。
いろいろの木まで、あともう少し。
三人は、かけ声をします。
「うんしょ、えいしょ、もうちょっと！」