薔薇と風の子2薔薇の木は その身にまとう 棘ひとつ そっと抜き取り 風を見つめる 風の子は 薔薇の想いを 受けとめて 小さな棘を 両手で包む 左手に 棘の指輪を はめこんで 薔薇の頬なで 風は立ち去る 遠ざかる 風の背中を 見つめつつ 薔薇はほんのり ピンクに染まる