ぱんふ | 帰って来た カンザブログ

ぱんふ

天気晴れ

参加していた新1年生に向けてのパンフレットの製作作業が終わった

春休みに入って久しぶりに実家から1時間半ほどかけて学校に通うことの大変さを思い出した

例年通り芸術工学部の学生が有志で作ったのだが自分のなかでいくつか悔いが残るものになった

・・・何か気持ち的に今日はこういう固めな文体で書きたいんだよね


結果的にここで書いていることはすべて終わってしまったことに対してのことであり、言わばグチでしかないということを理解した上で読んでください


全学部のいろいろな価値観や美的意識をもった新一年生を対象とした出版物は誰にとっても親しみやすくわかりやすくある必要があるように思う

特に大学というこれまで生活してきたところとは大きく異なる世界に入ってくる新入生を対象とするような場合、彼らが選択し得られる情報が限定されているため誤解や不快感を生じさせてしまうことがないようにその内容は十分に考慮されている必要があるはずだ

個人的な趣味や価値観が介入してしまうことは望ましくない

多少無難な、面白みの少ないものになろうとも、誰が見ても分かりやすく、読みやすく、親しみやすくあることがこのパンフレットに求められていることではないだろうか

前年度のテーマは「さくら」だった
全体を通してみたときいくらかテーマのブレがあるような印象はあるが適切なテーマであったように思う
今回、このテーマという課題に対してパンフレット製作チームが出した答えは「新房昭之というアニメの監督の作品のテイスト」というものだった

近年アニメや漫画といったサブカルチャーといわれるものがより一般的に広まってきていることも理由のひとつあるのだと思う

しかしこのテーマの決定に一番強く影響しているのは製作チームのメンバーの個人的な趣味であることは間違いがないと思う

彼らによると旧漢字を多用したりアニメ製作の専門用語が作品中に登場する表現がこの監督手がける作品の「かっこよさ」であるという


この監督の作品が優れているかどうかということについては置いておくことにするとして、これが(芸術工学部という他と比べたときアニメや漫画といったものを身近なものとして感じやすい環境にいる人ではなく)一般的な人に向けてパンフレット製作をする上で適切なテーマであるとはいえないと思えた

旧字体の漢字でページ数を表記したり「諸事情により掲載中止」と書いたページを間に挟んだり(アニメのオマージュとのこと)することは確かに世界観や雰囲気を表現しているかもしれない
かっこよさがどうというまえに単純に読み辛いという欠点がある


「分かる人に分かってもらえれば俺はそれで良い」
「俺たちが作るんだから俺たちのやりたいようにやればいいんじゃない?」
強くこのテーマを推したメンバーのこうした発言が今年のチームのパンフレットに対する捉え方のすべてを表しているのではないだろうか

大学全体の在校生を代表しているという感覚が足りず、自分の好みや世界観を押し付ける形になってしまったと思う

決める時点で盛り上がったメンバーに対し反対意見を出すことなく黙っていた自分が情けない
あの場面では衝突を避けることを考えるまえに自分が納得できるまで話し合うことが必要だったと思う

テーマ決定のときに自分の中で生まれた違和感をなくすことができないまま製作に入ってしまった
もともとよく分からない世界観を再現するという作業に対して、自分のポートフォリオを作ったときほど熱意を持って望むことができなかった
10分の1ミリ単位でレイアウトを追求することはしなかった
チームで細かい部分の話し合いに関してもワークショップのときのように積極的に参加したとはいえなかった
その世界を十分に理解しようという努力もしなかった
こういう感じでやって、と言われる指示に従ってじっくり考えることもなく淡々と作業をしていたと思う
正直、そつなくこなして早く終わらせてしまいたいと思っていた

将来デザインの分野で働くことができたとしたらこのような自分の理解しがたい世界観を表現しなくてはいけないことも多くあると思う
パンフレットの製作には協賛として地元の飲食店や企業からの広告の掲載費用が使われている
協賛を集めるために店を回ったチームも別にある

まだプロではないけれどそういうことを考えたとき、このような姿勢で作業をしていたことは恥ずべきことだったと思う


もちろん今回この編集作業に参加してよかったと思うこともある
この経験を通して普段することのできない100ページを超える冊子ができていくまでを身をもって体験をすることができた
自分の問題点を知ることや、期限付きの課題に対してチームで作業していくときの明確な日程の予定をたてることの必要性を知ることができた

かつての自分だったら今年のテーマについての問題点に気づかずに進めていたことに気づくことができたのはひとつの成長だったのかなと思う

今回のパンフレットは苦い思い出になった
この経験を無駄にしないようにしていきたい