コロナの影響病室には入れず、

荷物等も時間指定で病院の特別に設置された窓口での受け渡しになる。


病室に入れるのは、先生からの説明や何らかの用事で病院から呼ばれた時のみ。


この日は、心臓のT先生から病状の説明と今後の治療と手術についての説明があり呼ばれ病棟へ。


病室に行くと母は個室から大部屋に移っていて、

同じ部屋の患者さんと楽しそうに話しをしていた。


看護師さんから、面会室へ案内され、

母に「車椅子で行く?」と聞かれ、

母「ううん。歩いていく」


スタスタと普段通りに歩く母に

「もう苦しくないの?」

母「早く歩こうとすれば、ちょっと苦しいけど、全然平気」

だいぶ良くなっててビックリ!


面会室に入ると、すぐにT先生が入ってきた。


T先生はもう8年くらい前から母を診てくれている。

約8年前の1回目の心臓手術の担当もT先生だ。


大きなテレビモニターに入院時と昨日撮ったというレントゲンを映しながら説明をしてくれた。

見比べると素人からでも違いがわかった。


T先生「胸の水もだいぶ抜けて、息苦しさも緩和されたと思います。でも、元々の原因は心臓だから、心臓がよくならないと同じことを繰り返す。だから手術をおすすめします。

でも、心臓の手術は2回目だからそれだけでもハイリスク。リウマチとか他の病気も持ってるからリスクはますます高くなる。

手術をしなければ、今の状態を頑張って維持できたとしても、今回みたいに息苦しくなったら入院退院繰り返すし、心臓は持って2年の寿命だと思う。

一人暮らしならば、突然倒れて発見遅くなって亡くなってしまうこともあるし、一人暮らしなら、この状態で自宅に戻す事は出来ない。療養病棟とかで生活しなくちゃいけないと思う。」


母私「……」


T先生「手術の方法としては、前回同様開胸手術か体の負担が軽いカテーテルによる手術。

でも検査してみたら血管が細いところがあるのでカテーテルは出来ない。

だから開胸手術になると思います。さっきも言ったけれど、かなりのハイリスクになると思います。

もしかしたら手術の最中に…ということも考えられます。」


母は手術はしたくない様子。


入院前から延命はしたくないと話していた事があった。

気持ちはわかる。

でも、手術できる可能性があるのならしたほうがいいのではないか?


私は、母にそう言った。


母は「お父さんの3回忌もまだしてないから、ちゃんとしてあげたい」


その思いから、なんとか手術を決断してくれました。